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「ずいぶん用意周到ですね」
「そこはあまり突っ込まない方が良いぞ。恐らく死にたくなる」
「えぇ……」
「俺から言えるのは、マリィは人気者だなってことだけだ」
朝起きると、トールさんは筋トレをしていた。起きた私に気づくと彼は笑ってHPポーションを差し出してくれた。
体がギシギシ痛いし、まあ色々とツッコミどころのあるところも痛いので素直にもらう。が、これもだけど最中も色々と準備周到だった。
ポーションとか、まあほかにも色々と。まあ、あって助かったわけだしトールさんの言う通り細かいことを考えないことにする。
「朝飯はどうする?うちで食べてもいいが、外も祭りみたいで楽しいぞ」
「祭り?」
「ああ。マリィの帰還に合わせて大量の商隊が来て、買いとるついでに色々と売っていて軽く祭りになってる」
「ああ、この音楽はそういうことなんですね。ならば、祭りを楽しまない手はないですね!外で食べましょうトールさん」
「わかった。女性には身支度が必要だろう?風呂と洗面所はこの部屋を出て右に行った突き当り。トイレはその横だ。服とかはとりあえず俺が買った物を使ってくれ。タオルも、好きに使ってくれ」
そう言うとトールさんは腕輪からブラシや化粧品~服やタオル、何故かアクセサリーまで出してから部屋から出て行った。
いや、まあ、うん。
身支度を好きな人の前で整えるのはいやだけど。嫌だけど、ここまで女性が嬉しい致れり尽くせりセットを置いて行かれると女性の扱いがうますぎてちょっと…もにょる……。
もやっとしつつも、お腹も減ったので私は素直にお風呂を借りるべく着替えとタオルを持って部屋を出た。
「後でどうせ知るから先に言っておく。ここは『銀の華』で借りている貸家だ。当然仲間たちはみんなここで暮らしているが昨夜は余計な気を回されたので全員外泊してる」
「……その辺はもう諦めます」
追い出しちゃってすまないと思うけど、次会った時ものすごくからかわれるのが目に浮かぶ。ついでに言えばそれをトールさんが殴り飛ばす光景も目に浮かぶ。
「悪いな、外がこんなんで宿もいっぱいだったんだ」
「え、宿がいっぱいなら皆はどこに泊まったんですか?」
「……冒険者はどこででも寝られるぞ」
あ、誤魔化された。と分かったけれど宿以外でお泊り出来る場所と言ったら、彼女さんのところかなと思ってそのまま話を流しておく。
それよりも、だ!
「すごい屋台の数ですね!」
「ほぼ外部の屋台だからな。色々と面白いものもたくさんあるぞ」
見た事の無い形状の屋台、食べ物。
それらがいつもなら祭りの時だけ屋台が出ている場所にズラっと並んでいた。




