9
この一覧表で注目すべきはドラ殺と銀華の総額らしい。
その2パーティだけ、一体辺りの単価が明らかに高いのだ。と、思ったらその2パーティの持ち込む魔物はどれも大きい物だったらしい。それ故に討伐数でドラ殺は負けても総額でハルティを上回る結果になった。
ハルティは数を稼ぐために大物を避けて
ドラ殺はサイズ無関係で兎に角、狩りまくり
銀華は一番大きなマジックバッグを持っているので大物を効率よく狩っていった。
銀華が一位になった理由は本人たちも言っているが私がトールさんに昇級試験の時に贈った8m規模の時間停止付き空間収納だ。
これのおかげで違う階層まで足を運べたとトールさんにはお礼を言われた。
前提条件が同じなら恐らく一位はドラ殺だっただろう。でも彼らが持っているマジックバッグは2mサイズの時間停止無しだ。いつかギルマスの許可が下りたらもうちょい大きなものを差し上げたいものだ。
というかドラ殺と銀華は私の護衛も兼ねているから、迷宮探索時間がそもそもほかのパーティよりも少ないんだよね。そう考えると冒険者ってぶっ飛んでるわと思った。
ちなみに私が張り紙を見て冒険者の不条理を感じている、後ろでは。
「がははは!!!もっと飲め!飲め!」
「くそ!俺たちももっと滞在してええ!」
「エストラ!戻ったらすぐにまたエントリーするぞ!」
「すっげーーー楽しかったああ!」
大量の酔っ払いが量産されています。
これは今週一位を取った銀華が奢りで酒樽を一つお買い上げになって、それを一同にふるまった結果です。
集計を締め切ったあとも一応狩りは出来るのだけど、全員が集中の糸が切れたらしくここで交代人員が来るまで酒盛りをしてるそうだ。
「お姉ちゃん!これ運んで!」
「あ、うん!」
本当は『アサシンズ』と『ハルティ』と『ツバサ』とは今日でしばらくお別れなのだけど。
寂しいけど、冒険者のお別れなんてこんなもので良いのかもしれない。
「おう、坊主も高値いっぱい出してくれてありがとうな!まあ、飲め」
「そこの酔っぱらい!!!弟はまだ未成年だ!!!」
ダーツに悪がらみする酔っ払いを叱りつつ私は明るいお別れを楽しんだ。
「マリィ、酔っ払いは全員運び終わったぞ」
「ありがとうございます。でも本当にあんなところに寝かせてしまってもいいんですかね」
「冒険者に雑魚寝はよくあるから気にするな」
帰還予定の3パーティの泥酔して落ちた人たちは玄関脇に作ってた前に『ハルティ』を転がしておいた場所に荷物と共に、マイクさんとトールさんによって捨てられた。
あそこは雑魚寝スペースとして残しておこうと思いつつ、弟妹とマイクさんとトールさんと共に新しく来る冒険者の部屋の支度をする。
そう、トールさん。彼以外の銀華とドラ殺は自室で酔っぱらって寝ている。トールさんはこういう場では飲むのはやめたらしい。うん、なんでかは察せるのが切ない。なので暇だからと率先して手伝ってくれている。




