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「戻すくらいなら無理せず低級ポーションを使いなさいって言ったでしょ!?」


「だって、飲まなかったら捨てられちゃうんでしょ。それはさすがに勿体ないよ」


「気持ちは大いにわかるけども、それで戻したら同じでしょう!?」


口直しに地上のお店で買ったケーキを食べさせると顔色は戻ったものの、ネロはぶうたれた。

なるほど、これがハキポを飲み続けている私を心配した人達の気持ちかと思いつつも私は無理はしてないので棚に上げる。


「うん、心配かけてごめんなさい」


「うん、いい子」


「子供扱いしないでよ姉ちゃん」


「残念、ネロはいつまでも私の可愛い弟です」


わしゃわしゃと髪を掻き混ぜながら笑うと私よりも大きくなった弟は、それでも子供らしく頬をふくらませた。


「……姉ちゃんはいつも凄いよね。吐き気ポーションどころか、俺たちにご飯を分けてずっとあの薬草を食べてたんだし」


「噛まないで丸呑みすればなんとかなるわよ。そう考えると絶対に味が分かっちゃうポーションの方が辛いかしら。それとさりげなく吐き気とか言わないの」


ネロは溜息をついて破棄ポーションをぶらぶらと手で振りだした。

飲みたいのに飲めない葛藤だろう。気持ちはわかるが、薬で遊んではいけません。


「マリィ」


ハキポを取り上げようとすると、厨房の入口からトールさんが覗き込んでいた。


「ネロ、無理しないでこっちを飲んでなさい」


そう言ってハキポを取り上げて、低級ポーションと…中級ポーションもネロに押し付けて、小走りでトールさんの元へ急ぐ。


「どうかしましたか?」


「……うん」


トールさんは何故か頭をポンポンと叩くと、私の顔を見て目を見て、何故か上から下までをじっくり見てきた。


「無理してないな」


「はい。これくらい大丈夫ですよ」


「なら良い。マリィに渡したい物があるんだ」


そう言ってトールさんがポケットから取り出したのは。


シルバーのシンプルな『指輪』だった。


指輪、だった。


「これ、宝箱から見つけたんだが詠唱速度50%上昇の効果があって……」


これ、どう受け取ればいいんだろう。掌を出すべき?そ、それとも指?

ひ、左手かな。

真っ赤な顔で指輪を凝視していると……トールさんがハッとした。


「ち、ちがう!いや違わないけど、いやこれは…!」


トールさんも真っ赤な顔で狼狽え出した。その様子から察するにこれは『ソウイウ』意味のものでは無いみたいだ。

なんだ、ただの装備品としてか。

そう思って、落ち着こうとすると…トールさんの背後から声が響いた。


「決めろよトール、男だろ!」

「指輪の意味なんざ一個しかねえだろ」

「決めろロリコン」


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