16
目が覚めた瞬間、頭の方に行くにつれて緑色になっている白い竜と目が合った。
「クエッ、クエッ」
私は竜の手の上に座っていて、嬉しそうに竜に頭を擦り付けられていた。
何となくわかる。この竜にはダンディも居る。
「……無茶しちゃダメだよ…」
「クエッ!」
少し冷たい頬を撫でると、主人も!と責められるように鳴かれた。
まあ、確かに。
私もだいぶ無理したし、ダンディもだいぶ無理したね。
「……悪い子同士だねえ。後で一緒に怒られようね」
「キュルルル〜…」
怒られるのが嫌なのだろう。目を閉じて、辛そうな顔をする。とても表情豊かで可愛い。
「……ところでここは?出られる?」
「キュエ?」
どうかなあ?と首を傾げるダンディと一緒にくるくると周りを確認する。
周りは上も下も横も、ぐるっと木のツル……それもめっちゃ太いものに覆われている。
ダンディが乗っていても大丈夫な程の頑丈さで、それのせいで逆に出るのも困難そうだ。
「キュルー?」
「あ、とりあえずエストラさん達を出そうか」
「クエッ!」
ダンディの同意を得たので、その場でエストラさんを出す。
ダンディの掌の上はそこまで広くなかったが、なんとか二人ほどなら立てるくらいだったのでまずエストラさんだ。
エストラさんはもう目覚めていた。
出した瞬間、ダンディを見て短剣を手に取ったが慌ててダンディが「キュールゥー」と甘えた声を出したので投げるギリギリで、思いとどまってくれた。
「待って、エストラさん!ダンディです!」
「………え?」
「キュル、キュルルゥ」
慌てて止めると、ダンディは懐くようにエストラさんに擦り寄った。
エストラさんは驚いてダンディを見てから、私を見て……無言でポンポンと私の頭を撫でると、掌から降りていってしまった。
てっきり勝手に空間に保護したことを怒られると思ったが……無言放置で逆に戸惑う。
怒る価値も無いほど、怒っているのだろうか……。
トードーさんも出して、彼も軽く頭を下げてから黙って降りていく。
トードーさんも怒ってるのかな。
怒られないことに逆に不安を感じて……いやでも、また同じことがあったら私はエストラさん達を守るだろう
……何が正解だったのだろうか。
ティースさんを出すと、ティースさんはギョッとした表情を浮かべて慌てだした。
「ちょ、マリィちゃんどこか痛いの!?」
「……キュワッ!?」
「って、何これぇ!?竜!?」
「ダンディだそうだ。マリィ、どうした?」
「怪我は、してません。自分が不甲斐なくて…」
本気で戦闘力をつけよう。
いざってとき守る力を得るために…。
「え、そんなことないよー!むしろ、俺たちの方が護衛対象に守られるなんて情けないよー。いや、マジで」
「……マリィが気絶した俺たちを保護してくれたことはわかってる。ありがとう、だがすまないな……守ってやれなくて」
「本当に、情けない…」
怒ってると思ったら、エストラさんたちも私と同じ気持ちだったようだ。下から直ぐに戻ってきてくれて、狭い場所だったけれどお互いに情けない気持ちを吐露し合う。
その後もバイスさん、ディースさんを取りだして…強くなろうと、皆で覚悟をし合った。




