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sideトール
「おせえぞ、ほら掴まんな」
「……便利そうだな」
「おう!!」
燃えるカースドラゴンのせいで、移り火した世界樹の根元を走っていると空を飛ぶアイズに手を差し出された。
触覚があり、羽根があるその姿は……レィを彷彿とさせた。
だが事情を聞く時間も余裕も無いのでとりあえず差し出された手を取ると、片手で俺を掴んだアイズはブブブブ!と羽音を立ててすごい勢いで飛んだ。
「方角的にどうだ」
「間違いなく、マリィ達の方だな」
「……ちっ、追いつけねえな」
「他のやつは?」
「あとから来てんだろ。さすがに待ってらんねえからな」
カースドラゴンは燃えながら木々に当たっても木々を透き通る形で飛び続け、さすがに見失った。俺たちは木々やカースドラゴンから移った炎を回避しなければならないからな。
移り火を妨げるためにトレント伐採をしたのはカースドラゴンが居た場所の周りだけだ。
結果、進行方向が大炎上をしている。
今飛んでる場所はトレントがいっぱいだが…それに襲われることは無い。
トレントも、木も、全てが燃えてそれどころじゃないからだ。
「銀の華は一応俺のバッグの中だ。が、そこそこ消耗してるな」
「居るのを確認したから拾ったんだ。消耗してたって最低限は動けるだろ?」
「……そうだな」
燃え盛る森を飛ぶ中、残してきたカタクロスやエルフたちの安否が気になる。
俺たちの最優先はマリィ。次いで自分の命、カースドラゴンと同等で世界樹の苗木の確保。
このままじゃマリィの命もだが世界樹の確保も難しくなる。
だからあいつらを放置してきたのは正しいが……無事でいてくれることを祈るしかない。
俺の手は、何でもかんでも救えるほど大きくは無いのだから。
「見えてきたぞ」
「アイズ、あそこに兵がいる!」
「行くぞ!行っとくけどお前で俺の腕は埋まってんだ、戦闘は任せっぞ!」
しばらく飛ぶと、炎を前に撤退をする兵たちを見つけた。
アイズが彼らに接近するように速度をあげると、エルフがギョッとしたが仲間とは思われたらしく、その手に握った剣の先がこちらをむくことは無かった。
「おい、この辺りに配属された『アサシンズ』達か『カースドラゴン』がどこにいるか知らないか!?」
「分からないが、さっきあそこに炎と闇の塊が当たった」
兵士が指さしたのは、かなりの高さの位置にぶら下がった………激しく燃え盛る、世界樹から生えたツタの塊。
ーーーーーそして白い炎と共にうっすら闇の呪いも見える。
カースドラゴンがそこにいることは確かのようだ。
マリィがそこに居るかは、中が見えないから分からない。
分からない。
「マリィ!!!!!!」
居ないかもしれないが……居るかも、しれない。
あの、白炎とカースドラゴンが居る生存が絶望的な場所に。
咄嗟にアイズの腕を振り払ってマジックバッグステップと、俺の最速を出す脚力で一気に距離を詰めて塊に手を伸ばすーーーー
「馬鹿野郎!落ち着け、お前まで丸焼けになんぞ!!」
「離せ!マリィが居るかもしれないんだ!」
「……また確定じゃねえだろ」
が、あと少しと言うところでアイズに確保をされる。
頭の中ではアイズの言う通りだとわかっていても……恐怖が全身に込み上げる。
マリィが、
死んだかもしれない、なんてーーーーー。
その時だった。
フッと目の前の塊から闇も、白炎も一瞬で掻き消えたのだ。
そして焦げた塊がペリペリと割れて……まるで卵が孵る様に……
「くえええええ!」
中から、白と緑の鱗を持つドラゴンが姿を表した。
「あ、トールさん!アイズさん!」
ーーーその手の上に、大事そうにマリィを抱えて




