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side世界樹
ーーーーー何とか間に合った。
主様が仰った『無力な一般少女』と言うのは、彼女だけ明らかにほかの人々とは動きが違ったのですぐにわかった。
歩くすがだけでも弱々しそうで、自分で歩けず他のものの背に乗っていたから明らかでした。
そんな彼女が、落下死しないように残された力を振り絞ってツタを伸ばして保護しようとすると……今にも白い炎によって燃え尽きそうなカースドラゴンが突っ込んできた。
カースドラゴンがここまで飛びながら火を消そうとしたのか、私に何度も擦り付けてきたおかげで……その炎の危険性はよくわかっている。
あのような炎、少女が浴びれば一瞬で死んでしまうだろう。
だから水分を多めに含ませたツタを作り何重にも重ねるように少女を包み込む、も
炎の侵入はなんとか防げたし彼女の落下死も防げた。
ーーーーけれど実態のないドラゴンの侵入を許してしまった。
ドラゴンの領域……精神世界に囚われた彼女を助けに行こうとすると『ソレ』は懸命に精神世界に入ろうとしていた。
とても強い力を帯びたマンドラゴラの、亡霊。
森の最盛期、最も精霊が多く居た時代でもここまで力が強い個体はそうはいなかった。
私の目的は少女を助けること
そして少女を助けようと絶叫し、その反動で身体がはじけ飛んだマンドラゴラも同じと判断し老体に鞭打って頑張って中へと入っていった。
ーーーーあのドラゴンは少女か自身が死ぬまで少女にまとわりつくだろう。
私自身、死ぬまでまとわりつかれたから……結果として少女を慕うマンドラゴラの亡霊と、生にしがみついたドラゴンの亡霊を、少女の空間を基に融合をすることに成功した。
これならばあのドラゴンが少女を殺すことは無いだろう。マンドラゴラの魂が、少女を守ろうとするはずだ。
残念だが、そこで限界が来たようだ。
パチッと目を開けるとそこには私を心配そうに、不安そうに見守る子供たち。
意識しなくてもわかる。最上部のここはまだ無事のようだが……身体の殆どには、もう火がついている。
「……かあさま…」
もうすぐ火の手が来るだろう。
だが、私たちの下が燃えているということは……もう、救助は来れないということだ。
先日まで「海を見たい」とか「旅に出たい」と楽しそうに話していた幼子の一人が不安そうに私に寄り添うと……つられるように他の子達もくっついてきた。
「……お供します、母上」
子らを抱きしめていると、一番年長でエルフ達とのやり取りも任せている子が……苦笑を浮かべて私の前に膝を着いた。
どの子も一様に、覚悟を決めていて……ふっと笑みを浮かべて手近に居る子の頭を撫でる。
「……大丈夫です。あなた達を燃やしたりさせませんよ」
「…ですが…」
「……大丈夫、きっと大丈夫。もうなんの力も無いけれど……まだ、『言葉』を発することが出来るもの」
愛しい子供たち。
どうしても無理ならばしょうがないけれど……母として、最後の悪足掻きをすべく深く息を吸って……
「主よ」
恐らく、今も全てを見守っているであろう……この世界の、私たちの創造主を呼んだ。
ーーーーありがとう。
そう心の中であの少女に感謝をする。
ーーーあの少女が居てくれたから、主は此処を見ている。あの少女が居てくれてるから……きっと、主は私の願いを叶えてくれる。
「お願いがございます」




