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二人の喧嘩をぼんやり見ながら、そもそもここは何処なんだ?トールさん達は…とも考えるも不思議と思考は長く続かずに霧散する。
『……私は、もう生きられないの…?』
喧嘩は黒い人の劣勢で終わったようだ。
先程と同じように絶望に染まった涙声を出したと思うと、黒い人が一回り縮んだ。
『そうですね、もう私は宛に出来ない状態です』
『………』
『……ですが、この子が力を貸してくださるそうですよ。自爆により身体を失ったけれどこの子も、死にたくないそうです』
この子。灰色の人の影からとても小さいけれど……目が開けられないほど眩しい小さな塊が出てきた。
その眩しさに思わず目を閉じて、光を遮るように手で影を作るとーーーーーー
座っていた私の足を、小さな手がぺちぺちと叩いた。
そしてふさふさと何か……葉っぱのようなものが足に触れた……知ってる。私はこの感覚を知っている。
小さな身体で、懐いてくれて
嬉しそうに私の肩やフードや帽子に入って
『ーーーーっ!!』
トレントから、私たちを助けようとしてくれた大切な仲間。
結果的に私たちも気絶してしまってピンチになったけれど……『自爆』……この子は、ダンディは私達を助けようと身を張ってくれたのだ。
咄嗟に光の塊を両手で触るも、慣れ親しんできていた根菜の感触はなかった。
光が、私に触れる感触は確かにダンディだったのに
私が光に触れるとふわふわとまるで羊毛の塊のような感触だった。
『……ダンディ』
ふわふわを抱き上げて額を擦り付けると……嬉しそうなダンディの鳴き声が聞こえた気がした。
そして光はそのまま霧散して、黒い塊とひとつになって混ざり合う。
『……さあ、あなたのそれを付与してあげて。今のままじゃあの子達の力は散ってまた消えてしまうわ』
黒い人も助けるつもりだったけれど
そこにダンディが加わったとあれば、助けないはずがない。
『……ちょっと待ってくださいね』
ダンディ達が使うとなれば、大きな空間にしてあげたい。
その場で呪いが詰まった空間を一気に拡張すると……光と黒がぐちゃぐちゃに混ざったそれを優しく撫であげた。
『空間を切り離して付与しますか?*注意 切り離された空間は元に戻せません』
ーーーーーーーー『YES!!』
ダンディ達に、空間をあげた瞬間
光も黒も、周りの闇も勢いよくぐるぐると回り始めたーーーーー。




