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「地上付近に網を張る!」
「わかった!」
気がつけばすぐ近くでイシさんとニッキィも落下していた。
この二人は減速することが出来ず私たちを抜いて凄い速度で落ちていくーーーーそんな彼等を見て、『ソレ』は視界に入った。
ものすごい風圧で開けにくい目で、それでもしっかりと『ソレ』が見えてしまう。
眼。眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼眼。
山や崖のような巨大な世界樹の全面に……まるで模様のようにびっちりとついた、先程コブで見た数なんて可愛らしく感じるほどの数も数え切れない程の眼。
それら全てが
私達をじっと見ていた。
「急げ!起爆符!」
「おいおいおい!」
そして隙間なく数え切れないほどのツタが一斉に私たちへと伸びてきた。
これは、逃げ場が無い。
起爆符の爆風で落下速度が上がったものの、地上はまだまだ先。
なにかに扉を張って避難しても、あの数のツタに絡め取られたらすぐに貼った物が壊れるだろう。
どうしよう、どうすれば、私に何ができるか。
「ふんふん!」
「……ダンディ?」
その時だった。
ダンディが私のフードからぴょん!と飛び出してツタの方へ飛んでいった。
「ダンディ!!」
咄嗟に手を伸ばすも、その手は届かず
ダンディは嬉しそうに私に手を振り返す。
「ふんふんふん!!!」
「どうした!やめろ前が見えない!」
そしてゴーストが大きな霧になったかと思うと、私達全員を包みこんだ。
周りが何も見えなくなった瞬間。
『キイイイイイイイアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』
引き裂かれそうなほどの衝撃に全身が包まれた。
耳が痛い、体が痛い
咄嗟に両手で耳を塞ぎ、エストラさんも私の耳を塞いでくれるもそれでも耳が、頭が破裂しそうに痛い、痛い、痛いーーーーーーー胸も痛い。
そう感じた瞬間、何かが胃をせり上ってきて…ゴホッ!と咳と共に真っ赤な血を吐き出した。
え、血?
と思うと、息を吸っても吸っても…苦しくて……痛くて、苦しくて、ふっと意識が落ちると思った瞬間
“パキン”
絶叫の中、不思議と聞こえた小さな音とともに指輪の一つが壊れた。
私がつけている指輪は詠唱速度上昇とーーーーどんな状況でも一度だけHP1で生存することの出来る生存の指輪だ。
詠唱していないから、詠唱速度の指輪が壊れることは考えにくい。
今までないほどの全身の痛みから察するに……壊れたのは、生存の指輪だ。




