6
「ほら、ティース」
「あいよー。全部取れた?」
「悪い、一本だけ飛び出してきた魔物に使わせてもらった」
「りょーかい。それくらいなら問題ないよー。あ、マリィちゃんほらお菓子食べて。でも途中でトイレに行きたくなったら困るから水分は最低限喉を潤す程度にねー」
「先に菓子を食べるといい。食べたあとの方が喉が渇くからな」
「はい」
最後尾のエストラさんが先導のティースさんに短剣を渡すのを見ながら、喉がかわかないように配慮された程々の甘みとしっとりさがあるクッキーを差し出されたので、言われた通り水分はなるべく取らないように一緒に食べる。
大丈夫、トイレの我慢はアイアンでもしていたから慣れている。
おんぶ状態でトイレに行きたいとか死活問題だ。
「あ、でもマリィがいればトイレ用の空間を出してもらえるのか…」
エストラさんが名案、とばかりに言ったが誰もその案に同意はしなかった。
「……エストラ、お前マリィちゃん
「トイレ出してくれ」とか言えるのか?」
「……!?」
「ここに出しておきますからご自由にどうぞー」
中に入っても間仕切りで外から中は見えず、一般販売されているトイレを設置しただけの簡易トイレとした空間を貼り付けると、みんなが楽しそうに笑った。
「ナイスマリィちゃーん」
あはははと笑い会うも……このそこそこ狭い中でトイレとか「トイレを出してくれ」って言うのと同じくらい言い難い。
木登りとは違う謎の緊迫感があるなと思っていると迷いなくバイスさんがトイレに入っていった。
「全員行っとこうか。戦闘でいつ長時間行けなくなるか分からないんだから」
そう、提案して。
神が居た…!
ちなみに寡黙なケントさんはこの休憩中一言も喋らなかったけれど無言で砕いたクッキーをゴーストたちにあげていて、ゴースト達も嬉しそうにケントさんに群がって懐いていた。
普段も喋らないし、護衛団の中ではあまり関わらない部類の人だから何を考えているのかは分からないけれど、優しそうで悪い人では無い感じだ。
その後も登って、休憩してを繰り返し
下に居るエルフの兵士さんたちが小さな豆粒みたいになり、すごく遠くまで見える高さにまで達した。
だが、かなりの時間を登ったような気がするが…上と下を見る感じ三分の一くらいだろうか。
長いなあと思いつつ、アサシンズの皆を見ているとトールさんが木登り部隊にアサシンズを推薦した理由が何となくわかってきた。




