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全員でしばらく刺さった短剣を見て、うん!と頷いたティースさんその短剣の持ち手に足をかけてーーー今度は少し高い位置にふん!と刺した。
どうやら足場がない時は低い位置に、ある時は高い位置、あるいは両方の位置に持ち手や足場替わりに設置しているようだ。
すごいなあ、と思ってる間にぱっぱっぱっとティースさんが登っていく。
そしてあっという間に二階建ての屋根くらいの高さの場所まで行くとこちらに向かって手招きをして……お次はトードーさんがティースさんの動きを模倣するように登った。
これは私の足じゃ無理だなあと思いつつ順番が来るとケントさんも危なげない動きで登っていく。
ケントさんがトードーさんの居る場所にたどり着くと、そこには既にティースさんは居なかった。
先に行っちゃったのかな?と思っていると今度はトードーさんが行って……後ろのバイスさんが来るとケントさんが前方に登り出した。
同じ場所には二人までしか立ち止まらないみたいだ。
ふむふむ、なるほどと思っていると前方からブブブブブ!と言う鈍い羽音と共にカキン!カキン!と言う刃物の音が聞こえた。
見にくいけれど、遠目に見えるトードーさんが……黒光りする角を持った虫型の魔物に襲われているようだ。
と、私が認識した時には先程よりも早いスピードでケントさんが登り、片手で刺さった短剣の柄を持ち足場もしっかりした場所を確保すると……魔物に向かって短剣を投げた。
随分硬そうな装甲に見えたけれど、短剣はスっと虫の装甲の関節に吸い込まれてーーー羽を動かすのをやめて落ちていった。
おお、すごい。
何気なく落ちていく魔物を見てみると、魔物には対極に刺さるように二本の短剣が刺さっていた。
位置から察するにおそらくティースさんも投げていたのだろう。
片手を上げてから、盾を仕舞ってまた登りだしたトードーさんが進むのを少し待ってからまた私達も進む。
緊張感を保ったままその後も時折虫の襲撃をいなしながら進み、しばらくすると大きな木のコブのような場所にティースさんもトードーさんも座っていた。
休憩かな?ケントさんもそこに到着すると一言「下ろすぞ」とだけいっておんぶ紐を解いて下ろしてくれた。
ずっと足を浮かせていたせいで一瞬ふらつくのを慌ててトードーさんとケントさんが抱きとめてくれた。
「ありがとうございます……」
「いや、ちゃんと木の幹に持たれるようにふらついて偉いぞ」
「ありがとうございます」
偉い…のか?
アレものすごい子供扱いをされてるような気がするもずっとおんぶ状態だったから何も言えない。しばらくするとバイスさん、エストラさんも来た。コブは大きく、全員集まってもまだ余裕はあったがニッキィとイシさんは自分で座る場所を作ってコブから少しだけ離れたところに座っていた。




