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「人間は離れられないんだよな?」
「無理ですね」
「まあ、その分足で自由に動き回れるからいっか」
まあ、それは確かに。
ニッキィに同意するようにイシさんもうんうんと頷いている。だけどあなたたちも仮の体?とは言えかなりの範囲を動き回れてるし……普通の人間はそんなに広範囲の移動をしないしやっぱり精霊たちの方がすごいと思う。
「しかし、誰がここに残るのか決着つきますかねえ」
「………え?」
「今上で、誰が迷宮宿屋に着いていくか話し合っているんですが大モメしてるんですよね」
「……ついて行きたくない、方でですか?」
「逆です逆。私とその弟以外は外にほぼ出ないのでこのままこの森に残ると思って居たんですが……海がみたいとか雪を見てみたいとか、もう迷宮宿屋希望が多すぎて揉めてますよ」
それは……大丈夫なのか?
希望者が多すぎてエルフの人達がまたギャーギャー揉めることにならなければいいんだけども。
そこはかとない不安を感じているとーーーー私たちの目的地に着いたと、兵士さんが呼びに来た。
「……うん、じゃあ行こうか」
さっと戻ってきて……周囲にゴースト球を浮かべるアサシンズのみんな。
エストラさんに手を差し出されて、その手を取って私も外に出た。
「濃いな」
「吸いますか?」
私たちが世界樹を登るポイントは今まで見たことがないくらい黒い呪いのモヤが濃かった。
闇の強化薬のおかげで呪いにはかからないものの……この中を歩いたら前も後ろも分からなくなりそうだ。
「……そうだな。さすがにこれでは視界が悪い。魔物が産まれたら責任をもって処分するから思いっきり回収してもらっても良いか?」
「はい」
エストラさんにも見えるほどの物なのか、と思いつつ目の前の呪いを回収していく。
さすがにすごい物量なせいかMPがぐんぐん減っていくので高位ポーションを飲もうとすると、エストラさんが魔石を渡してきた。
「マリィ、高位ポーションを飲むならせっかくならこの魔石を使うといいよ。最大MPが増えれば回復量も増えるから……と言っても、マリィのMPならすぐ壊れちゃうと思うけど」
「壊しちゃっても良いんですか?」
「安いやつだから構わないよ」
それならばとお言葉に甘えて、魔石を握りしめて発動した瞬間にポーションを飲む。だが飲んだ瞬間魔石はパキィンと砕けてしまった。




