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「そもそも、なんで苗木は世界樹の上にあるんですか?普通下に生えてるんじゃないの?」
ゴースト達と連携の最終調整をしているアサシンズの皆を見ながら、膝の上にダンディを乗せてイシさんに尋ねてみるとイシさんはふっと真顔になった。
え、なんかまずいことを聞いたのかな。
咄嗟に反対に座ったニッキィの方を振り向くもニッキィは普通にキョトンとした顔になっていた。
あれ、気まずくなさそう?
「俺は母さんから離れたくなかったから、ずっと一緒にいたらそのまま発芽したんだよ」
母さん…母さん!?
ああ、世界樹が母さんか……とんでもないパワーワードに一瞬固まるも……そうか、果実が子供か。
「……木から、実が離れなかったって事?」
「そうそう。ほかの兄弟は下に落ちてったけど、こうなって初めて母さんから離れたけど上で見た兄弟以外は見かけないんだよなあ」
「……世界樹の実はありとあらゆる万病を癒し、怪我を治すと伝説になるほど……栄養価も、内包魔力も高いのであらゆる種族の垂涎の的なのですよ」
イシさんが付け足した情報で、ああそっか世界樹の果実=息子=その後苗木に成長すると実感が湧いてきた。
つまり下に落ちた少し申し訳ない話だが果実は食べられてしまったと。
まあそれは、うん。私も森に美味しい果実と有名なものが目の前にあったらもいで食べるかもしれない。
……そうか、そうだよね。
今後果物が食べにくくなるかもしれないような話だ。
「つまり、今までお母さんと一緒だったから無事に苗木になったと」
「……親離れできてない、と言われるかもしれませんがその通りです」
「……まあ、お母さんと一緒にいたいですよね」
私には居ないけれど、その分園長先生や先に出てった兄姉も園で一緒に育った弟妹も出来ることならばずっと一緒に居たいと思うものだ。
なるほど、イシさんは親離れしてないと思われるのが恥ずかしくって気まずそうな顔をしていたのか。
「と言うか、そうだとは思ってたけど二人とも苗木だったんですね」
今更だが当たり前のことを指摘すると二人は何故か「しまった!」という顔をした。
うん、隠そうと少しでも思って居たことに逆に驚く。
「本体は世界樹の上にあるんですか?と言うか、離れても大丈夫なんですか」
「……本体の一部を身につけていれば離れることは可能です。と言っても長期間離れ続けると本体ともに弱ってしまいますが」
「ふーん。そういえばグリーンさんも精霊石から離れてた時があったし、不思議ですねえ。身体から離れても生きてられるって」
死んだら、ゴーストになるって言うのは聞くけれど……ゴーストは魔物だからなあ。いまいちよく分からない感覚だ。魔物も精霊も世界樹も。




