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「レィ、お前何した」
『なによう!アイズが呪いで動けないから、中に入って呪いを取ってあげてるんじゃない!』
「いや、呪いとるって……レベルじゃねえぞ。身体が軽すぎるし……羽、生えてね?」
『あれ?本当だ〜』
重甲冑から溢れる程の目に見える闇の魔力。
あの重さは呪いだったのかと思いつつ、通常時よりも五割増ほどになった身体能力。さらに、背中を意識すれば羽根から風が出てふわりと身体が浮いた。
「あ、そうかそうしてあげれば良いんだね『憑依』」
混乱していると遠くでスィが霊体化してーーー身体が重そうに苦しんでるメルの身体の中に入っていった。
「……なんだこれは」
なるほど、ああしてレィも俺の中に入ってきたのか。
羽が生えた俺と違って、メルの見える肌のところに鱗が見える。というかこの位置からメルの肌の鱗まで見えるとか、視力もだいぶおかしい。
「おーい、身体が重いのは呪いだ。エレーヌ、解除できっか?」
ようやく切られたことを自覚したのか、こちらを忌々しそうに睨みながらまた一回り小さくなったカースドラゴンを……せっかくだから羽根で飛んで上空から見下ろす。
「ググググウ゛ウ゛ウ゛」
視界の端の方で、エレーヌの杖が動くのが見えたのであいつらは多分エレーヌが順番に回復していくだろう。
「おもしろくなったな、アイズ」
「飛べるって楽しいなあ。頭の中でうっせぇけど」
『うるさいってなによぉ!』
「キンキン喚くなよ」
レィと軽く言い合いながらも、お互い気分は最高潮に良いのがわかる。
なあ?レィも理解るよな?
ーーーうん、そうだねぇ!
「負ける気はもうしねえなあ」
『なんでも出来ると思う〜』
レィの身体能力に、俺の場数を重ねた経験。
それらが俺の身体で一つになっているのがわかる。
「終わらせっか」
「ああ」
「そうだな」
俺とレィ
メルとスィ
そしてロディ。
「おらあ!」
「はぁっ!」
「『物理結界』と、おりゃあ!」
俺が思いっきり切り込めば、ロディがそれに合わせてカースドラゴンが爆ぜる程の強打を叩き込む。
そしてメルが結界を貼ったと思うと……それをハンマーで殴り飛ばし、カースドラゴンの身体のめり込む。
気を使いあった連携ではなく、息の整った最高の連携。
「楽しいなあ!」
『さいこーね!』
高揚をレィと共感して、高め合うとより同調が増して力が増すのを感じた。
カースドラゴンは最早抵抗や反撃らしい反撃も出来ず、燃え、切られ、閉じ込められるだけだった。




