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カースドラゴンの力を削いでいき、終わりが見えてきたころ。
追い詰めれた手負いの獣が一番厄介なのは重々承知しているから、油断はしていなかった。
『シニタクナイ』
だから思念とともに衝撃波が飛んできた時、さっと丸太を出してそれを物理的に軽減させた。
だが視界の隅ではメルの結界の中でスィがぐったりしている。
ーーやられたか?とりあえずあの二人は立て直すまで防御に徹させたほうがいいな。
まだなにかしてくるとは思っていた。だから警戒もしていた。魔道具で結界を張る準備も、丸太や相棒を振り回す準備もしていた。
「ウウ゛!!ウ゛ウ゛ガァァァア゛ア゛ア゛」
『シニタクナイ!シニタクナイ!シニタクナイ!』
ロディの白炎で全身燃やされたカースドラゴン。
……追い詰められたカースドラゴンが絶叫の咆哮をあげた。
「……まじか、よ!」
準備なんて全部無駄と言わんばかりの、強烈な衝撃。
その衝撃派から逃れるべく咄嗟に魔道具を使って物理結界を張ろうとしてーーーなんとなく違う、と直感が働いたので直感の赴くままーーー魔法結界を張る。
それでも身体がヤベエほど重くて立ってられずに……地面に落ちてその場に座り込む。
しくった、物理結界だったか?
相棒を地面に刺してかろうじて四つん這いを保つも、頭を上げて周囲を見渡すこともできない。
「え、え、メルさんどうしたの?」
「アイズ!!」
「アイズ!!」
敵前で
周囲を見渡すことも動くことも出来ない。ロディとスィとレィの心配する声が聞こえるがそれに応えることは出来ない。
このままじゃやばい。
自力で戦線離脱は無理そうだが……ロディは体熱が高すぎて俺に触れない。レィは回避や行動予測が甘すぎるからむしろ助けに来んな。スィは俺から遠い。
ああくっそ、油断したわけじゃねえけどーーー仲間の、仲間たちと馬鹿やった記憶が頭に埋め尽くす。
『マリィ、しくんなよ?』
『ーーアイズさんも気をつけてくださいね』
全く、どの口が言ってんだか。
顔はあげられないが、こちらに向かって圧迫感が迫ってくる。
そうだ、しくじる訳にはいかねえ。
諦める訳にはいかねえ。
「…『しん…たい、きょうかああああ!!』」
カウンターで、切り捨てる。
絶対に切り捨てる。
視覚情報は頼れなくたって問題は無い、空気や気配、音で相手の動きを読む。




