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sideカースドラゴン部隊
攻撃魔法か?と思ったが、そこにはオロオロするロディと空中のレィと地上で鱗に木片が刺さったスィが怒っていた。
「ちょっとぉ!危ないじゃないの〜!」
「わ、わるい。全力でやれって言われたから……」
「予想外の攻撃で霧になり損ねた……痛いんだが」
「これを使ってくれ!!」
ぷりぷり怒りながらポーションをかけてもらうスィを目を細めてみて……足元にあった小石を思いっきりスィ目掛けて投げた。
「ぎゃああ!な、なんだ痛い!」
「……油断するな、ここは戦場だぞ」
「トール兄さん!酷い!」
これくらい霧化でかわしてくれないと。そう思い睨みつけるとレィとスィは涙目でこっちを睨んで、でもぶうたれながらロディと次の敵を倒しに行った。
魔物の姿なのに不貞腐れてるのがわかりやすいって、どういう表情筋をしてるんだろう。
あの三人組……戦闘力は、確かなんだが……戦闘力 は なあ…。
「トール、サボるなよ『マッド・アース』」
「ああ、悪い」
よそ見をしていても、近くの敵に遅れをとることはない。
人がいないことを確認してユーリが魔法で広範囲のトレントの足元のみをぬかるんで動けなくさせると、俺とムサシで斧を振り会う。
「てかさぁ、トールってレイス達には厳しいよなあ?」
「……そうか?」
「え、気づいてないのか?あんな風に石を投げて注意するなんて普段しないじゃーん、っと!」
「ああ……それは、まあなあ」
レイス達の基礎ステータスには目を見張る物がある。
ゴーストの上位種で、かつ女王蟻や竜から存在を読み取っただけあって実体化した時の防御力も攻撃力も並のものでは無い。
エルフの軍隊相手にソロで挑んだとしても、多くの人数を戦闘不能に出来るだろう。
「……産まれたばかりだから仕方がないが、中身が伴わすぎだからな。甘えるつもりで突っ込んで大惨事が起きてからでは遅いんだ」
「あー、確かに。力の調整下手だからレィとかよく飛んで壁に突っ込んでるよな」
「……あの速度でぶつかってよく骨が折れないよな」
「確かに!関節とか細いからポキッと行きそうなのに不思議だよなあ」
訓練の最中、高速で上昇したレィは天井に突っ込んだ。
そして魔法で空を飛んだスィは、飛行中に攻撃を食らうと浮遊魔法を取りやめて落下するか、モヤになって回避して、また実態を作った時に浮遊魔法を使ってない状態だったのでやはり落ちてきた。
……アイツらがもうちょいその辺使いこなせていれば、マリィを抱き抱えて飛んで貰うことも考えられたのに。
残念ながらどちらもステータスに任せた単純な戦闘までしか教え込めなかった。
「これが落ち着いたらみっちり訓練つけてやらないとなあ」
仲間と雑談しながらテキパキ狩っていく最中、どこかでドラゴンの大きなくしゃみが聞こえたような気がした。




