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「俺からの祝い酒だ!お前らも飲んで目一杯祝ってやってくれ!!」
「うぉぉぉぉ!」
「ギルマス最高!!」
「銀華おめでとう!」
「良かったなロリコン!」
「俺らのマリィよろしくなロリコン!」
「リア充滅べ!」
ギルマスが掛け声を出した瞬間、樽の蓋が割られてコップで汲まれたエールがトールさんの顔面にぶっかけられた。
そしてムサシさんにも、ユーリさんにもダーンさんにもぶっかけられた。
全身エールをかけられた銀華は…
一瞬固まってから、かけた冒険者を殴りに行ったり飲みに行ったり、魔法で服を綺麗にしたりともう大騒ぎだった。
帰ってきたトールさんとお話はしたかったけれど今日は久しぶりにAランクパーティが生まれた日だ。職員も冒険者もごっちゃ混ぜで、ギルド全体で盛大な酒盛りをした。
深夜まで続いた盛大な酒盛り。
一人、また一人力尽きて行き大量の酔っぱらいが量産される中、私はお酒はまだあまり飲めないのでそうそうに退散した。のだけれど。
「まーりぃちゃーん」
「へっへっへ、お届け物だぜーい」
我が家は冒険者ギルドにある。
酒盛りは冒険者ギルドでやった。
つまりだ。
退散しても酔っぱらいがやってきた。
扉を開けても私が中に入れようと思わねば入れないので読んでいた本を片手に扉を開けると、そこにはにやにやした酔っぱらい二人に抱えられた意識を失ったトールさんが居た。
………うん。私一応嫁入り前の女なんだけど。届けられても困ると思ったけれど、ポイッとトールさんを投げ入れられて慌てて許可を出しながら手を出して支えるがーーー身長差頭一個半である。当たり前だが私は潰れた。
「ぐえ」
重い。めちゃくちゃ重い。しかも酒臭い。
そういえばトールさん酒ぶっかけられてた。
「ひゅー!おあついねえ!」
「俺らのマリィちゃんが…大人の階段のーぼるぅー!ひゅーう!」
「だけど身長差あるよな。入るのかな」
「…やっべーなあ……みんな!大変だ!トールの〇〇〇がでかくてマリィちゃんの〇〇〇が裂けたぞおおおお!!」
「ごるぁ!くそ酔っ払いども!!」
凄まじいことを叫んで酔っ払いどもは走って消えてった。
重くて身動き取れない間に好き勝手を…。
激怒しつつ、もぞもぞとトールさんの下から這い出る。
しばらくするとようやく上半身が出られて。
ふう、とため息を吐いてからトールさんの顔を見る。
眠ったトールさんはいつもより無防備で、少し子供っぽくって。だけどうんと歳上の素敵な人だ。
「おかえりなさい」
前髪を払って額を撫でる。
ーーーーーーすると凄まじい集団の足音が聞こえた。
「まあああああありいいいいい!!」
何やら聞き覚えのあるアイズさんの声が聞こえる気がする。と思ったら扉の前の廊下でバギバギずざあああああ!と床を破壊しながら全力疾走してきたアイズさんが滑り込むように止まった。
酔っ払って必死な表情のアイズさん。
その両手にはケラケラ笑う『ドラゴン殺し』の治癒士エレーヌさんとハンナさんの所のリーダーで治癒士のガバウさんが小脇に抱えられていた。
「トールと〇〇〇して穴が裂けて死にかけてるって大丈夫か!!」
「黙れ酔っ払いども!!」
近くに落ちていた本を、思いっきりアイズさんに投げるとアイズさんの顔面にヒットして酔っ払い三人はボロボロの廊下に崩れ落ちて行った。




