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「ですがマリィ、そんな難しいことは考えなくても良いと思いますよ?」
「え?」
「その場で査定しないでこちらに持ち帰ってから査定して貰えばいいんですよ。ましてや貴方がしたい査定はここではなく、迷宮の奥地でしょう?市場に殆ど出回らないから市場価格なんて調べにくいものです」
「確かに…!!」
なるほど、奥地ではここで学んだことは役に立つとは限らないのか。
でもそうなると、時間停止が無い場合ではやはり問題が起きる。
「となると、やはり転送師が一緒にいないとダメですねえ」
「転送師も無理だぜ。うちで人サイズを送れるのが一人だけで、それ以外は荷物サイズしか送れねえからな。人サイズを送れるやつはスクロール制作で忙しいから表にはほぼ出てこねえってこった」
「ぐぬう、夢が遠い」
やはり時間停止が無くてはダメか。
食材なら日持ちするものを上手く使えば良いけれど、魔物の素材はなあ。
ぐぬぬと唸っているとマイクさんにもアイズさんにも笑われた。
「そんな簡単に出来んならとっくにやってるっての」
「そもそもマリィの異常なまでのMPが無いと夢も見られませんけどね」
「あー、MPもだいぶ増えましたねえ」
そう言った瞬間、マイクさんとアイズさんが固まった。
その後不自然なくらい優しい笑顔でアイズさんは言った。
「MP増えるって、なんだ?」
「………え?」
ニッコニコ。厳つい顔に笑顔を浮かべるアイズさんに、また失言をしたのかと非常に焦る。
「え…増えますよねMP?」
「増えねえぞ?」
え?
驚いてマイクさんを見るも彼も真顔で頷いた。
え、どういうことと思っているとぐわしっとアイズさんに頭を鷲掴まれた。
「なんなら情報料だって払う。吐いてもらうぞマリィ」
こ、怖い!夢の話をした時以来の本気の威圧感で背筋がぴゃっとなるも、しどろもどろと話をしてみる。
「ポーションとかでMP回復すると、たまにMP上限増えますよね?」
「増えたことねえけど」
「増えませんよ」
「え……増えないの!?」
頭が混乱する。え、増えてるよね?
増えてるよ。今確認したけれどMPは3018だった。あれ、今日はまだ増えてないな。
毎日5くらい増えるんだけど。今日は既に破棄ポーションを5本飲んでるから増えててもおかしくないんだけども。
混乱していると、マイクさんが考え込んでから問いかけてくる。
「私たちは今までマリィさんが空間魔法のレベル上げでポーションを異常なほど飲んでると認識してましたが……実際はMP上限を増やすために飲んでいた、という事でいいんですか?」
「あ、どっちも上げたかったからです」
「ちなみにマリィ、一番最初のMPと今のMPは?」
「10歳の時が3で今が3018です。でもおかしいなあ、今日はまだ1も上がってないや…」
三人三様考え込む。
「とりあえず今の話はギルマスにあげても?」
「ああ、はい。あれ、MP増えてるって言ってなかったですっけ?」
「聞いてませんね」
この日は増えた謎については結局答えが出ることは無かった。
私の情報 はギルマスに上げられて、調査されることになったがーーーーーーー
この日を境に、私のMP上限が増えることは無くなった。




