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事務所を出て、何を食べに行こうか話しているとちょうどギルドに入ってきた冒険者と目が合い思わずげっと声が出る。


「…なんだよ悪食。おまえ、泣いたのか?目が真っ赤だぞ」


「アンには関係ないでしょ」


「関係なくないだろ。まさか泣かされたのかよ!?」


同じ孤児院で同い年の冒険者……生まれつき剣術や身体強化など冒険者向きのスキルを四つも手に入れた兄妹分。ただしいつも悪食とからかって来るので犬猿の仲のアンは、ちらっと隣にいるトールさんを責めるように窺うように見た。


ちなみに仲の悪さの原因の一つは、私が彼を妬んでるのもある。

だって私はクソまずい薬草や破棄ポーションを飲み続けてやっと役立つスキルなのに、アンは生まれつき良いスキルを四つも持ってたんだもの。素直に妬ましい!



「そんな訳ないでしょ。ごめんなさい行きましょうトールさん」


「気にするな」


トールさんにも失礼なアンから離れたくって、トールさんの手を引っ張って出ようとするとまだ何か用があるのかアンは私を呼んだ。


「悪食!」


「……なによ」


「今度のお前の休み、院に顔出すからさ。そうシスターに言っといてくれよ」


「私もう孤児院出たから、自分で言って」


「え、お前ついに家出たのか。家賃ちゃんと払えるのか?どこに住んでるんだ?」


「……それこそアンには関係ないでしょ」


少なくとも私とアンは家賃の心配をしあう仲でも家の場所を把握しあう仲でも無い。

現に私より先に院を出たアンの住所なんて知らないし。


いい加減鬱陶しいアンを振り切って、私はトールさんと街に出た。


「彼は同じ孤児院の出身だった、か?」


「ええ。いっつも悪食!とかポーションばっか飲むとか味覚おかしいんじゃないか?とかからかってくるんです。昔っからずっと!」


「……それはなんとも言えないな」


「そんなことより、何を食べましょうか?」


いつも通りムカつくアンに会ったことなんて忘れて食事を楽しむべく、気分を切り替えた。








新しい新居は冒険者ギルドであって、冒険者ギルドじゃなかった。


新居。それはずっと企んでいた私の空間だ。基本的に冒険者ギルドで空間を開くだけに過ぎない。


この二年。迷宮で宿屋を作りたい!と思った私はとにかく私の空間の拡張と空間魔法のレベル上げに勤しんだ。


マジックバッグを作って売って、資金を確保しても良かったけれどアイズさんが売ったら目立つって言っていたからそれは後回しにしたのだ。


そんな私のステータスがこちらになります!


マリーロズ(16)

レベル7

HP20

MP3018

装備

帰還の指輪(危機に陥ると自動で帰還する)

生存の腕輪(どんなダメージ負ってもHP1で耐える)


空間魔法レベル7

・『開閉』

・『効率収納』

・『重力無効』

・『拡張』

・『多重空間』

・『生物保管可能』

・『収納』

・『効率作業』


その他スキル

・物質付与


・現在の空間は25m x 25m x 8m

(参考までにプール二個分の広さ、二階建て家屋の屋根くらいの高さです)



装備は空間魔法のレベルの高さからギルドで重要人物になったのでギルマスに強制的につけられたけれど、お値段がいくらするのかとても怖いです。



そしてこの収納。これが空間マイハウス化にとっても役に立った。

これはMPを消費して空間内に壁を作るスキルだったのだ。


これのおかげで収納で中に入れたものも隠せるようになった。ので、色んなものが置いてあっても気にならなくなった。


今は空間内に棚付きの小さな寝室(棚は収納で作った。ベッドは買って持ち込んだ)

と、キッチン付きのダイニングが私室としてある。


住宅部分を広く使っても良いのだけれど、正直寂しくなるからそこは狭く作ってしまった。



そしてもう一個のスキル効率作業。

これもまた便利なのだ。主にレベル上げで。これの効果はふたつあって


・常時消費MP半減

・MP消費通常で効果2倍


これを切り替えて使うことが出来るのだ。


ふふふ、最近私の空間大きくなっちゃって拡張に時間がかかるようになったのでこれはとても助かった。


大きな空間は後者で倍の速さで作れて

小さな空間は前者で沢山作れる


まるで夢のようなスキルだった。


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