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正直、この10日間使っていたのにモグラ肉の在庫は相当数積み上がっている。


少し困ったと思ったけれどネロはまだ、余裕な笑みを浮かべていた。


「なら、処理した肉を卸しますよ。それで問題ありませんよね?」


「…だがそうすると加工代が…」


「僕にとっては大した作業じゃ無いので卸値のお値段1キロ当たりこれくらいで良いですよ」


そう言ってネロが提示した金額はオーク肉よりも安い値段だった。とはいえ、元のモグラ肉の値段からすれば3倍の価格はある。


売れない破棄ポーションを利用するから材料費はただ!むしろ破棄ポーションを捨てるのは勿体ないから使って欲しい!


「それはダメだ!これほど美味いのにその値段は安すぎる。最低でもオーク肉と同じ値段をつけよう」


カイザーさんは値下げするどころか値上げをした。

それは破棄ポーションを料理に使いたいと言う夢を持ったネロを認めてくれたようなもので、じわりと涙が浮かびそうになった。


「ーーーじゃあ、それでお願いします」


良かったね。良かったねネロ。

ふにゃりと笑って同意し、そこから先の細かい約束はマキエ姐さんがやってくれた。



この日、迷宮商店街に名産品が産まれた。

とても美味いが、毒効果が厄介だったキノコの毒効果のみ消した処理キノコ。

それから今までまずい肉の代名詞だったモグラ肉を美味い肉へと処理した物。


どの料理人も無理だった偉業をなしたことで、ネロのレシピを盗もうとしたり師事したいと言う弟子希望の料理人が空間商店街に押しかけ、商店街の料理レベルは上がっていくこととなる。




「そういえばなんでカイザーさんは生肉を見ただけで美味しくなったってわかったのかな?」


「ああ、調理スキルレベルが高いと素材を見れば調理法や味がどうなるかとか何となくわかるんだよ」


「え、なにそれ凄い」


「カイザーさんは多分ポーションを『食材』として見たことがないから思い浮かばないんだろうねえ」


「……ポーションは普通食材じゃないもんね…」


「使い慣れると結構便利なんだけどね。まあ原価がスパイスとかよりも高くなっちゃうから普通は使いにくいと思うよ」





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