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「先に行ってるな。シャワー浴びて身支度整えてから出ておいで」


「……こほ、はい」


色々な意味でスッキリした顔をするトールさんに水を渡されて少し枯れた喉を潤す。


参戦を決めた以上、各方面への報告や準備などやることは多いのでトールさんは名残惜しそうにしながら出ていった。もちろん鍵をかけて。


モゾモゾととりあえず服を着て…はぁと溜息を吐く。


やばかった。危なかった。

『ーーーだから、マリィ。()はアイアン迷宮のレイド作戦に参加しようと思う』

あれは確実に振られる前置きだった。


あのトールさんが参加を渋る理由なんて色々思いつくけれど突き詰めれば多分それらは全部ひとつだ。

『連れていったら私が危ないから』だろう。


かと言って地上に置いていっても警護の問題で危ないから、きっと多分トールさんは私と別れて単身でレイドボスに挑もうとしたんだろう。


そんな危ないこと、させないもんね。


単身なんて危ない。だから行くのならば全員で万全の準備を整えて行くのだ。


戦闘狂のアイズさんと、功績が欲しいエストラさんならバックアップを整えれば一緒に行ってくれるだろう。でも万全を期してロディも投入できるようにしたいな。


そのためには私たち姉弟の身の安全を確保しなくてはいけない。


ダーツに相談をしよう。あとレオにも何か良いポーションがないか聞こう。

やることはいっぱいだ!

なのでとりあえず私は急いで銀華のシャワールームへと駆け込んだ。




「頑張ったね姉さん。じゃあ護衛団や迷宮宿屋でアイアンレイドをバックアップする件については僕が色々とやっておくから……姉さんはあっちを何とかしてあげて」


トールさんからも話を聞いたのかダーツはにっこりと笑って了承をしてから……満面の笑顔でこちらを見て手招きをするマキエ姐さんを指さした。

なんか、物凄い嫌な予感がする…。

渋い顔で警戒をしながらゆっくり近づこうとすると手招きの速度が上がって、さらに焦れたのかマキエ姐さんがこっちに来た。


「迷宮の問題は解決したなぁ?ほなこっちのマリィにしか手伝えへん仕事をやって欲しいんやけど、ほんまは昨日頼みたかったのに揉めとったさかい我慢しとったんやで」


ごごごごご

そんな擬音が聞こえてきそうな気迫のこもった笑顔に一歩後ずさるが、白い綺麗な手で私は見事捕獲された。


「さあ行くわぁ?ファレナ姉さんが劇場のセッティングを、カイザー兄ちゃんが宿で出しとった言うモグラ肉の料理を知りたいらしいんよ」


「料理に関してはネロの…」


「ネロ君も捕獲したけど、姉ちゃんに許可もろうてからどすって」


ネロめ!相手にするのが苦手だからって巻き込んだな!と思いつつも、マキエ姐さんに舞台の方へと連行される。



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