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「おい、マリィ。このトロッコに適当にもの突っ込めるやつを貼れ」
「はい!」
言われて、使ってない空間をトロッコに貼り付ける。場所はトロッコの内側の底。トロッコに物を入れれば空間に収納されるような配置だ。
「よしマリィは土砂の上の方を適当に収納してくれ。俺たちは下の方をシャベルですくっていくぞ」
「わかったわ」
「了解」
「分かりました」
言われるままに、なだれている箇所の上の方を仕舞っていくがーーぶっちゃけドラ殺のメンバーが交代ばんこに土砂をスコップでトロッコに入れる方が断然早い。
こんな、数個の石ではなくもっと、もっとまとめて入れたいのに。
視界にうつった土砂の中で、コレと思ったものを思えば中にものは入る。収納速度はそこそこ早いが…同時に入る個数がもっと多ければ。
石一個を1としないでもっと複数の塊を1と出来たら…。
焦っても一個は一個で、どうしたってたくさん同時にはできない。
もっと。
もっと集中を。
すうっと息を吸ってじっと前面を見つめる。
その瞬間、一瞬だけど私以外の人間の認識が消えた時だった。
“一歩後ろに下がってごらん”
脳裏に響いた言葉になんの抵抗もせずに一歩下がる。
すると、今まで石がたくさんあった場所は
石の集合体だった。集まった状態で、ひとつ。
ひとつならば、吸える。
一歩下がった程度ならば充分私の射程だ。手を前方向に伸ばすと……一瞬で上半分の石がごっそりと吸えた。
「お、すげえな」
出来た、けど。
これ集中力やばいほど必要だ。
終わった瞬間はあーーーーっとため息を吐いて、息を吸ってまた集中をする。
ゴソッ
ゴソッ
ゴソッ…
何回も収納していたある時、収納してもしても上から降ってくる土砂が止まらない場所が出てきた。
「おい、マリィストップだ。トレビィ、リオを呼んでこい」
「ほいさ」
休憩。休憩か。壁によりかかって深く息を吐くと全身汗でびっしょりだった。
農場から出てきたリオは私を見て驚いていたが心配をかけたくないので笑って手を振る。
「良いか、リオ。この先には上に穴が空いているから土砂が無限に振ってくる。だから落ちてこないようにお前の結界で天井を作るんだ」
「は、はい…」
なるほど、こういうことをさせるためにトールさんはリオを同行者に選んでいたのかと思いつつリオの頑張りを見守る。




