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門番さんに止められてこちらに来れない少年は必死な形相でアイズさんを呼んでいる。どうやらアイズさんの知り合いっぽい。
「おー、クレイじゃねえか。久しぶりだな」
「助けて!助けてください!親方が下層で落盤にあって…!」
「……なんだと、ガドルが?落盤にあったのは何時だ」
「一昨日です…!鉱夫組合の奴らと行ったんだけどかなり大規模な落盤で組合の奴らもいっぱい生き埋めだってさっき情報があって!!でも空羽の準備が出来なくって救助隊が行けないって…!」
少年が叫んだタイミングで貴族様っぽいしっかりとした服装の人達が現れて、頭を下げるもアイズさんはそちらに夢中でエレーヌさんが慌てていた。リッツさんもトレビィさんも必死に走り出しそうなアイズさんを捕まえていた。
「任せろ、直ぐに行く…「入国審査まだでしょ!少しだけ、少しだけ待ちなさい」」
「馬鹿野郎、今こうしてる間にも埋まってるんだぞ!」
その通り人命には代えられないのだけど。早く話を済ませてくれないかなとアイズさんとお貴族様の方を見ると、お貴族様は審査をしている兵士さんたちに何かを話してから…こちらを向いた。
「我が街の民を心配してくれてありがとう。責任者の人には残ってもらうがもし良かったら救助を手伝って貰えないだろうか。入国審査は私の権限で許可しよう。まだ冒険者ギルドの方では下層で戦闘を行う人員が確保出来ていないようなんだ」
「アイアンの冒険者ギルドマスターです。今回のことは緊急クエストとしますので取り急ぎ埋まった人たちを救助したり救助する人の護衛を頼めないでしょうか」
め、めちゃくちゃ話のわかる人…!
お貴族様とアイアンのギルドマスターに感動するとアイズさんが制止を振り切って走り出して…
「待て」
…トールさんに止められた。
トールさんの声には、なんだろう。従わなければならない気迫を感じた。なんだこれ、スキル…?
「離せトール!もう良いんだろ!」
「アイアン迷宮は身支度しないと危険だ。指示を出すから少し待て」
今にも殴り合いそうな二人だったがトールさんの言い分に即座にアイズさんは止まった。その通りなのと、抵抗する時間が無駄だからだろう。
「マキエ、ダーツつけるから頼んでいいな?本館は馬車と少し小さくなるが移動しやすい板どちらがいい」
「かまへん。出来るなら板におたのもうす」
「アサシンズ、ダーツのフォローとクエストの手続きを頼む。トードーは盾を出せ、マリィ本館の扉をトードーの盾につけてくれ」
「は、はい!」
言われるままに慌てて扉を解除してサッと盾を構えたトードーさんの盾の接敵側に扉をつける。トードーさんの盾はとても大きいから屈まないといけないけれど何とか全員入れそうなサイズだ。
「マリィ、リオ、リッツ、ユーリ以外の迷宮組は宿に入れ。中で採掘、護衛、治療、休息の支度を頼む」
「え、俺も!?」
「お前もだリオ」
宿に入れってことは…慌ててその辺の壁に宿屋の扉を開くとすぐに護衛団メンバーとリオ以外の弟妹が入っていった。
すれ違いざまにアイズさんが小声で「頼む」と言っていた。本当は自分で走りたいだろうが…それをさせない理由がトールさんにはあるんだろう。




