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「なので明日、大規模レイド部隊が組まれる予定だ。魔物を倒す部隊が三つ、さらに毎日魔物をスクロールで持ち帰る部隊が一つ…………そこに荷物持ちとしてマリィ、お前にも参加してもらいたい。お前含め総数23名の大部隊だ、流石にお前以外だと長期的に籠る荷物が持てねえんだよ」
え、まじか。
私が地下18階に行くの……?
「子供にそんなことをさせたくねえんだがな、今度は王命なんだ。断るようならお前の空間をマジックバッグにして寄越せと言われた。流石にそれは嫌だろ」
「全力で嫌です」
「だろ?だから道中や現地の安全は最大限考慮するし身を守るための魔道具もいくつも貸し出す。だから悪いが受けてくれ」
「…わかりました」
「本当に悪いな。ポーションなどはこちらで用意するからこれで道中の装備や持っていきたいものがあったら買ってくれ」
そう言って渡されたのはずっしりと重い袋で。
中を見ると金貨がいっぱいあってひゅっとなった。
「出立は三日後の予定だ。一応明日顔合わせはあるから来てくれ。ああ、それからトールのパーティも参加予定だから旅支度に困るようなら奴らに聞くといい」
「はい」
金貨袋を空間にしまって、とりあえず事務所に行くと……職員のお姉さんにトールさんが待ってるわよと言われて待合室を指さされた。
待合室にはトールさんとムサシさんが待っていて、私を見るなり苦笑を浮かべた。
「大変だったのにまた大変だな」
「マリィちゃん身体はもう大丈夫なの?」
「大丈夫です。えっと、ギルマスになにか言われましたか?」
「ああ、旅支度を手伝ってやってくれとな。今回の旅程は移動込み20日の予定らしいから色々と要るぞ。ついでに俺たちの荷物もマリィに預けるように言われてる。一緒に買おう」
「はい、よろしくお願いします」
そのまま二人と一緒に商店街へと向かう。
そう言えばこの二年で身長はちょっと伸びたけれどトールさんとはまだ頭が一個半ほど違った。ムサシさんとも一個違う。解せぬ。
「そう言えば マリィちゃん、俺この前商隊で働く空間師と話す機会があったんだけどさ?空間内の空気を無くしたり、空間内に沢山の氷を入れたら食べ物の腐敗を遅らせられるんだって」
「そうなんですか!?」
「うん。氷室と同じ感じになるみたいな?ちなみにお勧めは氷らしいよ。溶けたら水としても利用できるからって」
「それは…天才ですね」
「だよね!俺も聞いた瞬間いいこと聞いた!って思ったもん」
「氷か……ユーリに頼むか」
「そだねえ。前日辺りにユーリに作ってもらおうか。俺たちの食材も入れてもらうんだもんね!あ、ユーリは俺たちのパーティの魔法使いだよ」
「会ったことは…ありましたっけ?」
「ないと思うぞ。あいつは基本的に戦闘か研究しかしないから」
へえ、極端な人だなあと思いつつまずは一軒目。防具屋に入る。
防具屋では子供用の軽鎧と、冒険者が愛用するという汚れが落ちやすい服を数着買った。
武器屋では念の為に短剣を二本。あと、包丁も買った。
思えば孤児院に全て揃ってるので包丁とか持ってないのだ。




