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そう、団長。
今冒険者達をまとめているのはトールさんだ。
銀華のリーダーだったし、一応身分もあるしで満場一致で押し付けられたらしい。
ドラ殺のリーダーアイズさんは片腕と片目が無くなった事に慣れることを集中したいから嫌がり、アサシンズのリーダーエストラさんは俺は目立たない方が色々と活躍できるとキッパリ言い切ってた。
なので一応副団長をエストラさんエレーヌさん、団長をトールさんが務めている。
マキエ商会の護衛の人たちとも共同で馬車や人の護衛をしているそうだけど、あっちとこっちは完全に別物。
向こうの護衛の人たちはマキエ姐さんの部下だけど、トールさんは私やダーツとともにマキエ姐さんと対等の権利を貰っている。
まあ、私は権利を持ってるけどややこしいことは苦手なのでその辺はダーツに丸投げだけどね!
リッツさんの話も聞けたので、最後に奥の…やばい音がするエリアに向かう。
始めに聞こえていたのは凶悪な素振り音だったのに、リッツさんと話してる間にいつの間にか音が変わった。
これは…怒鳴り声?
「…喧嘩してます?」
「…いや、多分違うと思うぞ」
怒鳴り声と、パリィン!と言う何かが割れる音。それらを聞きながら壁を何重にも張ったおかげでクネクネになった道を進むと…。
「遅せぇよ!もっと早くしろ!」
「っ!は、くっ!」
「魔力制御が乱れてるわよ」
え?
目の前の光景に頭が真っ白になった。
目の前でアイズさんに殴られて結界を壊されているのは…本館にいると思っていたリオだった。
結界を目の前に板状に張り出し、それをアイズさんが怒鳴りながら殴り壊す。エレーヌさんがリオを注意した瞬間、ユーリさんが小さな火球をリオに放って…リオは咄嗟に結界を張るも、火球は結界を素通りして慌てて飛び退いたリオの腕を焼いた。
「ぐあっ!」
しかしそれも瞬時に完治する。エレーヌさんが治癒してくれて…よく見るとダーンさんもリオに何か魔法をかけてくれているようだった。
治癒士2名、ユーリさんとアイズさんによってリオはめちゃくちゃ扱かれていた。
「強くなりたいんだと。兄姉の中でリオが輝けるのはマリィと同じで戦闘現場に近い場所だからああやって訓練を受けてるんだ」
アイズさんは張られた結界を叩き壊すだけで、ユーリさんも直撃はしないで掠めるような魔法だけだ。
「あれはどんな訓練なんですか?」
「リオは今のところ三つの『魔法結界』と『物理結界』と『魔物結界』が使える。一人で必死に訓練したんだろうな、MPの量と結界の強度も戦闘したことがない割にそこそこ高い。が、実践ではまだまだだ。結界は破壊されればされるほど強度が増すから、即座に対応して結界を選択して張れる『判断力』と『結界の展開速度』と『結界の強度』の訓練中だな」
汗を流して必死に結界を張るリオ見てると…私も負けてらんないと思えてくる。
そうだね、最近は拡張に必死で想像力の訓練もしてなかったし…収納をもっと見ただけで瞬速で出来るように私も訓練しよう。




