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でもさすがトールさんと感動していると……物凄い怨念が篭った唸り声が聞こえた。
「ずっこおす…うちもそれが出来るようになりたいのに」
「落ち着けマキエ、出来ないなら出来ないで先に話を進めるぞ。浮かせたものに俺らが触ったらどうなるんだ?」
どう……なるんだろ?他の人が触れる範囲に物を浮かせたことがなかったのでわからない。ので、ペンを浮かせてシュタインさんの前に持っていくとシュタインさんはそれを掴んだ。
そして普通に持って、紙に落書きをして、離すと羽根ペンはかさりと羽が机に擦れる音をあげて机に倒れた。
「なるほど、回収したら浮遊は無くなるんだな。マリーロズ、もう一度あげてくれるか」
「はい」
頼まれるまま再度浮遊させると、シュタインさんは羽根ペンを指で何度かつついて…横に押した。
すると羽根ペンは浮いたまま横に移動した。そしてさらに下から上に押し上げると羽根はふわふわと上に飛んで行った。
「なるほど、触れるだけで浮遊が解除されるわけでは無いんだな。ちょっと浮遊が解除される条件が分からないが条件次第で使えそうだな…」
「嬢はん、ちょいこれ持ち上げて」
マキエ姐さんに頼まれたのは紙だった。
言われるまま紙を持ち上げると…マキエ姐さんはその上に羽根ペンを置いた。
すると紙は羽根ペンが置かれた場所を中心に曲がり、徐々に落ちていきそのままテーブルの上に落ちた。
「あきまへんな」
落ちてから羽根ペンをどかしても紙は浮くことは無かった。
それから色々と試して見た結果。
・浮かせたものは指で押すだけでも動く(重さは無関係)
・使ったら、浮遊しなくなる。
・高度を下げたら自動的には上に戻らない(浮遊状態であれば私以外が押し上げてもそこで留まる)
「インテリアとしては行けるな。あと在庫を浮かしとくのも物によりオシャレだな」
浮いてたらオシャレなもの…なんだろう。オシャレなもの…卵、小麦粉、肉に骨…駄目だ全然オシャレじゃない。
「…本とか浮いてたら手を伸ばしてみたくなりますね」
「あと水とかを粒状にしたらキラキラしないか」
「花やドライフラワーなんてどうですえ?」
どうやら私にオシャレ感は無いようだ。心の中で涙を零しながら笑みを浮かべて黙って言われた通りに水を細かくしたものや花やとりあえず私物の本を浮かせた。




