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改めてよろしくお願いします。更新は8時と20時になります。冒頭は新環境の説明ばかりですみません…
また京言葉を参考にした箇所がだいぶありますが雑な部分やわかりにくいため使ってない箇所もあります。
全てはファンタジー!を念頭にお楽しみください。
夜逃げのようにラクーンを出て数日。
御者も馬車も馬も交代で昼夜問わず走り続けた結果、ついに今日の午後には国境に一番近い村に到達する見込みとなった。
「ほな作戦会議を始めますえ」
マキエ商会部門の店舗の設営は完了し、今は大空間の中央に並んでいる。
「シュタイン、店舗の方はどないどすか?」
「一応軽食の屋台と、雑貨屋、衣服屋、食料品屋は展開したぞ。在庫も各スタッフに持たせて貰ったマジックバッグに入れてある」
そしてそこには担当の販売スタッフ四名が常駐することが決まっている。
本館の会議室の窓から店舗を見たマキエ姐さんは…眉間に皺を寄せた。
なんだろう、言われた通りに店を作ったけどやはりデザインの問題で難があるのだろうか。
「準備はええどすが…なんか地味どすなあ。余剰スペースも多おすし」
おすし…おすしってなんだろう。首を傾げていると販売スタッフのサムおじさんが「多いってボヤいてるんだよ」と教えてくれた。
「なんか空間魔法らしい!飾り付けとかはあらしまへんの?」
空間らしい…飾り付けかあ。
うーんと頭を抱えて、書き取り用に持っていた羽根ペンを…ふわっと浮かせた。
「収納の一環で物を空中に仕舞うとか…あとはどんなに折れそうな壁でも絶対に折れないとか…それくらいしか無いかなあ」
今は全員が使いやすいように下側に置いてあるけれど本来は上部含め空間全体に物は仕舞える。
ペンを浮かして、ついでに隣にいたダーツも浮かせる。
「うわっ!?ちょ、やめてよ姉さん!」
浮かせて右へ左へ見本として動かしていると怒られたのでまた隣の席に降ろした。もう、と私を睨むダーツの耳は真っ赤で恥ずかしがってて可愛いけれど突っ込むと火に油を注ぐから黙る。
「あんなぁ、そら普通ちゃうさかいな…」
弟とじゃれているとマキエ姐さんもシュタインさんもサムおじさんもトールさんも…呆れきった顔でこちらを見ていた。
「え!?いやでもマジックバッグとかも容量みっちりまで入れられますよね?それと同じですよ」
「ああ…そうどしたなぁ。此処はマジックバッグのなかどしたなぁ…で、嬢はん。それうちにもできるのん?」
「いや、私にしかできませんね。マジックバッグとして固定化して…いやそれでもどうなんだろう。持ち主が入ったらどうなるか知ってますか?」
「いや、持ち主は入れないぞ。バッグそのものに触れて魔力を注がないと開かないから、体の一部は入れても全部入れようとしたらはじき出されるんだ」
「なるほど。扉を消したら私だけ外に出されるのと同じですねえ」
マジックバッグの使用に関してはさすがに私よりもトールさんの方が上だ。使っているということもあるけれど、使用感などの情報も集まりやすいだろうから。
ん、待てよ持ち主は入れない…何かが引っかかるような…。
近い未来のラクーン迷宮
「あった!ここがマリィの残してくれた宿屋か!」
「MPに余裕があるのは…」
「私まだ一回しかポーション飲んでないから行けるわよ」
「頼んだハンナ。みんな入れ、休憩だ」
「はあ、はあ…」
「ん?ちょ、待って?あたし入れないんだけどぉぉおおお!?」
※その後彼等は交代で休みました




