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「でもなあ、うちの商隊には迷宮の奥地にホイホイ行けるような護衛はおりませんの。どこかにお嬢さんの護衛してくれはるつよーい冒険者上がりの方はいーひんのどすか?」


マキエさんがそう言って全員を見渡す。

わかりやすい勧誘だ。

けれど一番に手を挙げたのは冒険者ではなく、レオだった。


「はい!俺、冒険者じゃなくて錬金術師だけど付いていきたいです!あっちこっちの迷宮に行って、伝説のエリクサーの素材集めて、アイズさんの腕と目を治したいです!」


それまでアイズさんに抱きついていたレオは勢いよく手をあげてそう言った。


「はい!俺も冒険者じゃないけど結界術が使えます!そこそこ長時間張ることも出来るし、結界札も作れます!」


「私も。話術スキルしかないけれど、接客は得意よ。姉さんの宿屋でも接客を担当していたし足りないなら他にも覚えるわ!」


「俺は調理スキルと魔術スキルがあります。破棄ポーションを上手いこと料理に使って、回復する食事を作れます!」


弟妹たちも来てくれるみたいだ。

マキエさんはうんうんと全員を見て笑って頷いた。


「あら、皆さんが来てくれはると新しい従業員を雇わなくて済むさかいに、助かりますなあ。ガンツさん、この子らも引き抜いてええですね?」


「だろうと思ってたぜ。ダーツとセットで持ってけ」


「セットとか失礼どすなあ。ダーツ君もこの子らも優秀ですから、全員しっかりといただきますえ」

次に手をあげたのは、アイズさんだった。


「俺、ドラ殺抜けるわ。どの道この腕じゃラクーン迷宮は攻略できねえからな。それならマリィとレオと一緒にいてエリクサーにかけつつ片腕での戦闘を極めるわ」


そう宣言した瞬間、エレーヌさんとリッツさんがスパーーーン!と後ろからアイズさんの頭を引っぱたいた。


「あんたの世話をあの子たちが出来るわけないでしょ!?」


「そうだな。お前の面倒なんて俺たちくらいしか見られないんだ。俺らも行くからさっさと戦闘スタイルを確立しろよ」


「んだよ!面倒って、俺はガキかよ!?」


「子供より厄介よ!レオの方がいい子じゃない!」


「比べる方が失礼だな」


ギャーギャー喧嘩をする三人の横で、ポールさんとトレビィさんも笑って手を挙げていた。



次に手を挙げたのはエストラさんで。


「そもそも俺達は迷宮宿屋のために移籍して来たんだから、マリィちゃんが移動するなら付いていくよなあ?」


「何を当たり前なこと言ってんだ」


「つーか装備全損したんだからガッツリ稼がないといけねえから付いてくって」


「迷宮宿屋が一番割が良いもんなぁ」


アサシンズのみんなも笑いながら手を挙げてくれて。


「おい、トール。お前わかってるよな」


「そうだぞ。この流れでラスト引いちまったんだから、決める一言言えよ」


そして銀華の冷やかしを受けたトールさんは後ろからぎゅっと抱きしめてきた。


「ずっと一緒に居よう、マリィ」


「……っ!」


耳元で低く囁かれて、必死に首を縦に振る。

口を開けば、口から変な声が出そうで必死に口は閉じていた。


「というわけで、銀華一行もリーダーと嫁さんについていきまーす」


ケラケラ笑いながらムサシさんが代表で手を挙げて。


「こんな頼もしい皆さんが居てくれはると嬉しおすけどなあ。肝心のマリィお嬢ちゃんの答えがまだですわ。マリィお嬢ちゃん、どうしはりますか?うちに来るんやったら移動式宿屋と迷宮宿屋は出来ますけど同じ場所にずっと滞在はせぇへんし、うちらもお嬢ちゃんの空間を商売に利用させて貰いますえ?」


「条件を詳しく教えてください」


いくらガンツさんの紹介で喉から手が出るほどそそられるとはいえ、条件も確認しないで受けることは出来ない。

そう思い尋ねるとマキエさんは笑顔で頷いてダーツを見た。するとダーツがこっちに来て隣に座って私に数枚の書類を見せてくれた。



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