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欠損ポーションで治せるのは一部位のみ。
三ヶ所も失ったアイズさんはどこかを失うのが決定していた。
涙が込み上げて。
悔しさと悲しさと恐怖が込み上げるけれど、まだ何とか耐えて私物の高級ポーション、欠損ポーション、造血ポーションを躊躇なく取り出していく。
「好きなだけ使っていいので、みんなを治してください!」
「わかった。正直治癒魔法だけじゃ治せないからガッツリ使うが良いかね?」
「はい!MPポーションも!足りなければどうぞ!」
「助かる」
歯を食いしばったままボロボロと泣きながらムサシさんも出す。
ムサシさんはまだ意識を失ったままで彼もすぐに施術台に運ばれた。
みんな意識を取り戻したのかそこかしこでうめき声が聞こえる。
マイクさんの横で、床を睨みつけて拳を握って必死に耐える。
「腕と足と目、どれを治しますか!?」
そんな中聞こえた治癒師の問いかけ。
ああ、あれは絶対アイズさんに問いかけてるんだ。
「……足だ。足を頼む」
激しい喧騒の中、アイズさんの小さな声がやけに大きく響いたーーーー……。
どれくらい経っただろうか。
不意にぎゅっと握った拳に誰かの手が触れた。
誰が触れているかなんて……
脳裏にみんなの
出かける際のみんなの笑顔が浮かんで、涙がボロボロ出てくるがそれでもまだ声を出してない。まだ、我慢だ。歯を食いしばって絶対に口を開かないでいるとさらに手に触れる手が増えた。
2本、3本、4本と手がどんどん増えていきーーー頭をぽんぽんと
いつものように撫でられた。
ゆっくりと頭を上げるとそこには
ボロボロになった皆が笑っていた。
「ありがとう。助かったマリィ」
前衛職のみんなは、炭化した四肢も治っていて。
あちこちに火傷の跡や包帯などを巻かれているもののみんな笑っていて。
「おう、ただいまマリィ」
アイズさんは治療台の上で片目を包帯で隠した状態でーーー右腕を上げて笑っていた。
それ等を見た瞬間、ぶわっと涙が溢れ出て
「う…うわああああああん!!!」
目の前にいたトールさんに大声をあげて泣きながら抱きついた。
「もう、マリィ?女の子が傷をつけるもんじゃないわよ」
そう言って私の手を…強く握りしめたせいで爪で怪我をしていたらしい手を治癒してくれたエレーヌさんの髪は短く、エレーヌさんの方が余程重症だった。
大泣きをする私の背中をたくさんの人が大丈夫とあやす様に撫でていた。




