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帰還場所にはいつも迎えが居るのだけれど予期せぬ帰還な為か誰もいなかった。
まあ、それもそうか。兵団が帰還してまだ二日だし帰ってくるとは思わないだろう。
と思った瞬間、隣にいたロディさんが崩れ落ちた。
「ちょ、大丈夫ですか!?」
『しゅ、主人……寒い…』
「…ロディさんマジックバッグを貸してください」
あ。そうか25階で寒いならば地上は極寒か。少し迷って、マジックバッグを没収すると彼も時間停止空間の中にぶっ込んだ。
今は彼の対処よりもみんなの治療が先だからだ。
走ってギルドマスターの部屋に行く。
さほど距離は無いはずなのに、とても長く感じて……バンッとノックもせず転がり込むように部屋に入ると中にはマイクさんとダーツとガンツさんがいた。
「姉さん!?どうしたの、予定では帰還はもっと後じゃ…」
「……問題発生か。どうしたマリィ」
即座に察してくれたのはガンツさんで、マイクさんは崩れ落ちそうな私に駆け寄って支えてくれた。
ぜえぜえと荒い息を整えて唾をゴクリと飲み込む。
「ドラ殺、銀華、アサシンズの皆さんが大怪我をしました。治癒院か治癒師をお願いします!欲しいポーションがあればなんでも出すので皆を助けてください!!」
叫ぶと全員が目を見開いて、ガンツさんは即座に指示を出した。
「マイク!!治癒院までマリィを連れてけ!それからダーツはラクザルバまで行ってこい!俺はポーションかき集めてから治癒院に行く!」
そう言われた瞬間、マイクさんに抱き上げられてマイクさんがすぐに走り出す。
みんな、大丈夫なんだろうか。
ムサシさんの怪我も酷かった。
みんなみんな、あれ以上に酷いって大丈夫なんだろうか。
ぎゅっとマイクさんに抱きついて、涙が溢れてきたけど。
まだだ。まだ気は緩められない。
歯を食いしばって、絶望に必死に耐えた。
「…………」
治癒院の大きな部屋を借り切って、大人数の治癒師にお金を払って。
一人一人、出していく。
エレーヌさんの綺麗な髪は焼き切れ、両腕はおかしな方向を向いていた。
リッツさんは背中に広範囲の酷い火傷を負っていた。
でもそんなの序の口で。
みんな、骨折や重度の火傷を負っていたけれど。
特に前衛職のトールさん、トードーさん、トレビィさんはそれぞれ腕や足が一本焼失して炭化していて。
「…うそだ……」
最も強くて
最も優しくて
大きな笑い声で豪快に笑うアイズさんは。
左腕と右足、それから右目が潰れていた。




