15
冒険者ギルドに就職してはや二年。
迷宮買取所で働く私は危険手当も付き、同年代からしたらだいぶ高給取りだったが未だに孤児院で暮らしていた。
同い年のアンは冒険者としてさっさと自立したけれど私は、何というか、うん。
「姉ちゃーん遊んでー」
「姉ちゃん起きてー」
「姉ちゃーん」
朝から妹弟達に潰されるのも悪く無いのだ。と言うか結構好きだ。
「おはようメル、ネロ、リン」
「お仕事行く前に、一緒にご飯作ろうー」
「良いけど顔を洗うからちょっと待ってね」
「はーい」
この二年、冒険者ギルドでも悪食と言われながらも毎日ポーションを飲み続けた結果。
見よ、現在のステータスを。
マリーロズ(14)
レベル3
HP15
MP1190
空間魔法レベル5
・『開閉』
・『効率収納』
・『重力無効』
・『拡張』
・『多重空間』
・『生物保管可能』
・現在の空間は16m x 18m x 6m
・現在の空間は1m x 1m x 1m
ついに生物を入れても問題なくなり、また複数空間を持てるようになりました!
とはいえ個別で拡張をしなきゃ行けないのでそちらは全然拡張してないけども。
でも、生物保管むふふ…。
これで空間マイハウスの夢がぐんと近づいた。
MPもそろそろ24時間出しっぱなしも可能なので寝てる時間入ってることも可能だしね(なお、中に私が入ってる時は強制的に入口が開かれた状態になる)
もうちょいメインを拡張してからサブ空間も広げようかなー?
そんなことを思いながらいつも通り出勤をすると、しかめっ面のギルマスに呼び出された。
「よおマリーロズ」
「お呼びと聞きましたがどうかしましたか?」
「実はな、大至急お前にやって欲しいことがあるんだ………」
そう言って差し出されたのは一枚のスクロールだった。
「これは物質付与のスキルを覚える魔法が刻まれている。これでマジックバッグを作って貰えないか」
「え、物質付与って超希少なスクロールじゃないですか!?」
「ああ、それは無料で配給する。それくらいマジな依頼だと思ってくれ」
「……はい」
超お高いスクロール……物質付与のスクロールは迷宮でしか発掘されない上、魔法使いが覚えたら一生安泰。誰もが欲しがる垂涎の品だ。
震える手で言われるままにスクロールを使うと、物質付与スキルを覚えたのを感じた。
「どうだ?マジックバッグは作れるか?」
これに付けてみろと言われて手渡されたカバンに物質付与を使ってみる……が。
『空間を切り離して付与しますか?*注
意 切り離された空間は元に戻せません』
おおおう、やべえ。
咄嗟にキャンセルをしてカバンから手を離す。
「どうだ……?」
「作れなくは無いですけど、私の持つ空間をそのまま貼り付ける感じらしいので私の空間が無くなります。流石にそれは嫌です」
「まじか…ちなみに空間が無くなったら、マリーロズはもう空間魔法が使えなくなる感じか?」
「んー………マジックバッグ、かなり必要なんですよね」
「ああ。切実に欲しい」




