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「マリィちゃんすごい汗よ」
「水分はちゃんと摂るように。ユーリ、マリィちゃんの保護を頼む」
「あいよ。『アイスウィンドバリア』」
言われて気づく。覗き込んだ全員が大して汗をかいてないことに。何故だ、私はこんなに汗だくなのに。
と、思っているとふわりと周りの空気が涼しくなって刺すような暑さが無くなった。
「念の為に『アイスバリア・エンチャント』ももう一回ねー」
さらにリッツさんが魔法を発動すると最早草原の爽やかな風レベルの涼しさになった。
……足を引っ張っている自覚があって悔しい。
「…ごめんなさい、足手まといで」
「ふはっ、何言ってるのマリィちゃん。マリィちゃんはか弱い町娘なんだからしょうがないだろー」
リッツさんの軽やかな笑い声の他にも色んな人から「そうだぞー」とか「むしろこんな地獄に連れてきてごめんな」とか言われて…泣きたくなった。
小さな声で「ありがとうございます」とつぶやくと、再び冒険者一行は走り出した。
そして28階に着いた。
「マリィ、宿を張ってくれ」
そうアイズさんに言われて籠の外に出て驚いた。
とても眩しかった。そして暖炉に当たってるようにめちゃくちゃ暑かった。
28階層は石畳と、燃える水?ぐつぐつと真っ赤に輝く水の地獄であった。
即座に指定された場所に自宅宿屋を張ると全員が一気になだれ込む。
良かった、中は暑くない。
外はまるで火の中に居るんじゃないかってくらいに暑かった…。
「よっし、明朝まで各自自由行動だ。マリィ、道中倒した魔物だけ引き取ってくれ」
「あ、はい。でも本当に凄いですね。燃える水なんて初めて見ました」
「あー、あれはマグマって言うらしいぞ。山とかにあるらしいがあれに触れたら石でも鉄でも人間でも溶けるから気をつけろよ」
ガクガクブルブル。
めちゃくちゃ暑いけど綺麗だなとか思った私が悪かったです。
まじかー、アレ怖いなーとか思って扉の外を見ていると…
ぐつぐつと唸り声をあげてマグマが跳ねた。そして扉に向かってきて思わず飛び跳ねて後ずさる。
ーーーが、マグマの入室は許可してないのでマグマは空間の入口にぶつかるとそのままたらぁっと垂れていった。
め、めっちゃ怖かった。
「だはははは!マリィお前良いジャンプしてんな!!」
そしてアイズさんに笑われたので、べーっと舌を出すとそのまま食堂の方に走っていった。




