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「……そう、だな。ただマリィ達に無茶をさせられない。弟妹達の仕事を率先して手伝って、あの子らに十分な休息を取らせることも必須条件だ」


「そうだな。おい、マリィにダーツ、ネロ、リリエラ、レオ、リオ。お前らの休暇を一週間俺らにくれねえか?出来る限り仕事手伝って「良いよー」」「構いませんよ」「楽しみね」「耐熱ポーション作ってみたい!」「耐熱結界作れないかなあ」


弟妹全員が元気よく手を挙げて賛成して

最後に残った私に視線が集まる。


にっこりと笑って、私も手を挙げる。


「トールさんとイチャイチャしてもいいなら、良いですよ」


満面の笑みでそう言えば、トールさんはゴホッゴホッとむせた。

アイズさんとエストラさんはニヤッと笑って、トールさんの背中を思いっきり叩いてこちらに突き飛ばした。


「おら、嫁がお呼びだぞ。おう、そうだダーツ。俺に提案があるぞ」


「なんですかアイズさん」


トールさんが顔を赤くしてこちらに来ると、すぐに冒険者達は思い思いに動き始めた。

あるものは食べ終わった食器を片付けだし。

あるものはダーツに提案に行き。

あるものはバケツに水を汲んで農場への扉に入っていった。


「…俺はとりあえずドロワ殿と交渉だな。彼等が帰ってもそのまま俺達がここに居られるように」


目の前でそう言ってくると、トールさんが出口の方へと反転するとシュッと何かが飛んできた。


トールさんが軽く躱し、空間壁に当たって落ちたそれを見る。

それは、投擲ナイフだった。


え、暗殺!?とゾッとするもトールさんも……投げたエストラさんもケロッとしている。


「マリィちゃんから離れたら条件未達になるだろ。トールはもうちょいそこでイチャついとけ」


「…お前…」


眉を顰めたトールさんだったが、座りながらにこにこと笑って見上げる私を見て……深く溜息をついた。


「マリィ、冗談は程々にな」


「はーい」


怒られちゃったので、くすくす笑いながら弟妹作戦会議に混ざりに行く。


冗談じゃなかったのは、さすがに胸にしまっておこう。






冒険者発案の新商品。それは焼き串だった。だが、たかが焼き串と侮るなかれ。


「迷宮限定!ファイアーバード、オークキング、ダブルヘッドベア、ドリームモスの焼き串はいらねえかー!!」


肉のラインナップがヤバい。

全部20階層以下の魔物で、普段なら食べる機会のない逸品だ。なお、これらはアサシンズが空き時間に狩って来てくれて、買い取ったものを手の空いたドラ殺と銀華が切り分けて、串に刺して焼いている。

カウンター横に臨時の屋台を設置し、酒を飲みながら串を焼くアイズさんはまさに屋台のおっちゃんだ。


「……ファイアーバードを一本頼む」


「あいよ、300ロイだ」


そして串の値段も地上の普通の物に比べたら、段違いに高い。だが、売れ行きは中々に好調だ。

元々串焼きは売っては居たが、やはり目の前で焼くと匂いに引かれるのもあるそうだが………

迷宮の深層で獲れる食肉はとても貴重で高級なのだ。物によってはポーションみたいな効果もあるし、実際にポーションの素材になったりもする。


地上では、最近はお金持ちは食す機会はあるけれど普通の人はほぼ無い。


そして軍人さんたちはお貴族様も混ざっているが、それでも一般人も多い。



「な、なんだこれ…めちゃくちゃジューシーで口の中で肉汁が溢れる…!!」


余談だが、串は解体した魔物の小骨を使っている。小骨と言っても元々が巨大なので全然普通に串で使える。


「ダブルヘッドベアを五本頼む」


「おう、1500ロイだ。こいつは食べると一時間ほどHPが増えるからな」


「あの高級肉が…」


食事を終えたにも関わらず、物珍しさでどんどん売れていく。

ーーーその日の製菓は、前の日の半分くらいの売上ですんだ。おかげで久しぶりにネロもゆっくりと休憩をとれた。


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