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「ん?じゃあアサシンズは終わりまでいるのか?」
「ああ。その予定だ」
会議が燃え上がる弟妹を尻目に、アイズさんがはっと何かに気づいたようだ。
「……そんでマリィ達は上がったら二週間くらい休みなんだよな」
「その予定ですよ」
「…あいつらが帰ったら、迷宮の封鎖は解除されるんだよな」
「ああ。そんなに長く閉鎖は続けられないからな」
「…ちょっとアイズ、何企んでるのよ」
銀華、アサシンズ、ドラ殺全員の視線を浴びて
アイズさんが考えながらポツポツととんでもないことを言い出した。
「腹ァ割って話すと、ドラ殺は現在29階の階段目前で詰まってる」
その一言でドラ殺のみんなは殺意をアイズさんに向けて、銀華とアサシンズのみんなは値踏みするようにアイズさんを見た。
トップパーティがどこで詰まってるか。それは、かなり極秘情報だ。
殺意と探る空気と、沈黙がその場に落ちる。
いつの間にか弟妹達も黙ってこちらを見ていた。当たり前か、あっちの席にはドラ殺のリッツさんもいるのだから。
続きの言葉はなかなか出てこず、アイズさんはトールさんをじっと見ていた。
しばらくして、トールさんは溜息をついてからぼそっと呟いた。
「マグマの亀だろ?」
何を言っているのかよく分からないけれど。
その場の冒険者達はわかっているのだろう。その証拠にトールさんがエストラさんを見ると、エストラさんも溜息をついてからぼそっと呟いた。
「俺達は亀まで見られてない。階段手前のマグマの池の暑さでやられてる」
ん?ん?
なんかいつの間にか全員諦めたようにため息をつきだした。弟妹と私は全然ついていけてない。
「はっ、お前らもやっぱ同じ場所でつまずいてんのか」
「暑さはユーリの魔法で凌いでも、あのマグマパレットはさすがに捌けなくてな」
「うちも似たようなもんだ。リッツの付与で凌いでるが、凌げてるだけだ」
「うちは治癒師しかいないからその暑さ対策に困ってるよ」
よくわからんけれど、どうやら3パーティとも似たようなところでつまずいているらしい。
アイズさんもトールさんもエストラさんも立ち上がると、三者歩み寄って立ち話を始めた。
「……そこで、だ。あのお貴族様とマリィ弟妹の許可が貰えたら、だ。28階に陣地を張って共同戦線を張らねえか。邪魔なほかの冒険者もいねえ、お前らなら信頼出来る、マリィ達を独占できるこんな機会なんてそうはねえ」
お?つまり百人宿屋終了後に29階攻略レイドを行うと言う意味か。
「…俺は賛成だ。正直俺達は魔法が使えないからな。割とマジで行き詰まってるし、運が良きゃその先で耐熱アイテムが手に入るかもしれないしな」
すっと弟妹の様子を見ると、弟妹は嬉しそうに目を輝かせて三人を見ていた。
レオとリオとネロは純粋に憧れとかそういう輝きだろう。
ダーツとリリエラはなんか目にロイマークが見える気がする…。




