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迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奥地で宿屋を開きます~  作者: 海華
第五章 怠惰と迷宮と冒険者と
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12

あれ、どこ行ったんだろう?と思っていると道の向こうからムサシさんがこちらへ向かって走ってきて第二部隊へと合流した。


「前方、蛇型の魔物が一体。20秒後に接敵。鱗は剣を通さない」


「一同構えよ。迎撃する」


二番隊の人が盾や剣を構えると、すぐに蛇は現れた。それを待ち構える兵士と…駆け出して、小さな玉を投げるムサシさん。


そして蛇の近くまで行くと風魔法で風を起こして撤退してきた。


「ありゃ臭い玉を投げて、こっちに影響がねえように風を向こうに送ってんだ」


「へえー」


その際も壁際を走り、しきりに蛇の方向を気にしていた。

鼻をやられた蛇と第二部隊が接敵し、討伐に入った瞬間ーーーさらにムサシさんの声が聞こえた。


「獣型が二種、こちらの動きを窺ってる。最短でおよそ40秒」


「っ、ベン、ガルパ、サイオン、ティア、迎撃体制だ!」


「了解」


あ、四人攻撃を止めた。

攻撃を止めて道の向こうを警戒している。なるほど、これが冒険者との違いか。


「30秒で仕留める」


そう言うと、周囲を警戒していたムサシさんが五人が攻撃してるところに加わって大胆に短剣を振りかぶった。

一振、二振りとムサシさんが動きながら短剣を振る度に蛇には傷がついた。

すごいな、兵士さんの攻撃ではたまにしか傷がつかないのに。


「あれは鱗の目に合わせて切込みを入れてるんだ」


「なる、ほど」


なるほど。

隊長さんと心の声が完全に一致する。兵士さんたちは素早くは無いけれど重い打撃を剣で与えている。けれど狙いが甘いから鱗に弾かれて傷が付かず、ムサシさんは狙いがすごいから素早く切り込んで行けるのだろう。


なるほどなあと思った瞬間、蛇の目にムサシさんの短剣が命中し蛇はのたうち回って倒れた………時には、ムサシさんは既に次の狼型魔物と対峙していた。


「おら、そろそろ戦闘も終わるから籠に戻れ」


「はーい」



ムサシさんの動きは凄かった。次の魔物が控えているからかとにかく素早く倒そうとしているのがよくわかった。

籠に戻って、それからムサシさんが助っ人に入っている間にちょこちょこと顔を出してみたのだけれど。


ムサシさんに良い感じに触発されてか、兵士さんたちの動きは明らかに徐々に素早く、さらに弱点を細かく狙う動きになっていった。


移動のスピードの違いもあるんだけど、戦闘時間の違いもあったんだなあとのほほんと思う。私で気づけたのだから、隊長さんももちろん気づけたのだろう。

その情報は軍全員に投げられて全体の動きが変わっていったらしい。


そして休憩も挟んだ2日目は14階で宿泊することになった。

当初の予定では10→18→25で宿泊予定だったらしいが、まあ初日に大きくずっこけた割には挽回している方だと思う。


そして宿の中に入って驚いた。


「あと三周だ!」

「「了解!!」」


「切り付けが甘い!もっとよく狙え」

「「はっ!!」」


広場のあっちこっちで訓練が行われて居たのだ。


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