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「これよりここの空間にお世話になる。迷宮への出立は予定を変更して三日後。見張りと食事当番を交代制とし、各々丸一日は休みを取れるようにする。迷宮に入るまでに万全の状態にしておくように。早速第一から第四は食事の支度を。第五から第十一は今から3部屋を割り当てるので部隊の中で部屋割りを決めるように」
「「「了解しました!」」」
凄まじい爆音の返事に驚いて飛び上がりながらもひょいひょいと一緒に作業を続ける。トールさんなど冒険者のみんなも手伝ってくれてサクサク進める中……数人の人達が頭を下げつつこちらに来た。
「マリーロズ殿、二日分ほどの食料を出して頂きたいのですが」
「あ、はい。何を出せば良いですか?」
「小麦を1樽、オーク肉を二匹………」
ダーツの許可品を入れつつも希望の食品を出していく。
その量はとても莫大で。やはり今までの宿とは比べ物にならない規模だな、と感じた。
本当、炊事洗濯を彼らにやってもらえることになっていてよかった。
私達でこれはこなせなさそうだと、二日分の食料を見てそう思った。
とりあえず預かる荷物を全部受け取って。冒険者のみんなと宿を出て、はあと息を吐く。
冒険者のみんなは荒っぽくて粗暴だが、孤児院育ちの私にとってはそちらの方が慣れ親しんでいる。
なんかきっちりかっちりしている兵士さんたちの相手は、すごく疲れた。
「おう、マリィはこの後どうするんだ?飯食って寝るだけか?」
「うーん……」
どうしようかなあ。時刻はもう夕暮れ時で、通常であったら休む時間だけども。
ちらっとトールさんを見上げると、ぽんと頭に手を置かれた。
「忙しいのはわかるが休息は取っておけ。なにかしたいなら朝一で付き合うから今日はもう働くな」
「はーい。と、言う感じです」
「おう、わかった。じゃあ今日は解散な」
「疲れた疲れた」
「あー、ねむーい」
アイズさんの一声でドラ殺も銀華も弟妹もみんなが一斉にギルドの外へ向かって。
そんな彼等を見送ってから、トールさんとギルドの奥の私の部屋に向かった。
私の空間には、当然ながら許可の無いものは入ることが出来ない。
力技でも入れないことはダディオさんで立証済みだ。
……という訳で、今回100人宿屋とは別に私たちの自室と言うことで一緒に開くいつもの宿屋。そちらの空間を冒険者&従業員以外立ち入り禁止とすることで護衛の問題をクリアして、急遽リリアナとレオとリオも行くことになった。
その理由は本人等の強い希望もあったのだけれど。
……買い物や処理、採取などはきっちり日程通りに済ませたのだけれど、さすがに丸一日の休暇が無いせいで疲れが抜けなかった。
正確には抜けなかったと言うか……レオとリオと一緒にはしゃいで畑作りに精を出したら筋肉痛になったというのが正解だ。
それがまさか、あんな悲惨なことになるなんて思っていなかった。




