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「お仕事の邪魔をして申し訳ありませんでした。ガンツ殿を通してまた仕事を依頼させていただきますが、食品などの収納はなるべく早くしていただけると助かります」
「なるべく早く中身を出してから行きますね」
とりあえず仕事をして良さげなのでその場で宿屋の扉を出す。
するとマイクさんが出てきて、隊長さん達を見て固まった。
さらにネロ、リリアナ、レオ、リオと順番に全員が出てきて全員が固まって引きつった笑顔でギルドマスターの元へと歩いていった。
空間を閉じて、私もトールさんを含む銀華やドラ殺達と一緒にガンツさんの元へ急ぐ。
……隊長さんたちは付いてこなかった。良かった。と言うか隊長さん達も目を見開いて固まっていた。
「必死に諌めてあれだ」
ギルドマスターの部屋で私達を待ち受けていたのは堂々と胸を張るガンツさんだった。
「あんだけ集合させといてそれはねえだろう、ガンツ」
「アホ、あいつら始めは全員でお出迎えするって言ってたんだぞ。それを必死に11人までに絞らせたんだ、褒めろよ」
帰還場を埋め尽くす、無数の兵士たち。
…嫌だ。めちゃくちゃ嫌だ。恐怖しかない。
「それは無理ねえ。あの人達、身分で圧力かけてマリィを使おうとしてたし」
「好きだよな貴族って。相手の都合お構い無しで命令出すの」
「そうそう、それで仕事があるのでって言うと俺の命令が聞けないんだ?的なことを言ったり空気を出すんだよな。本当、人の迷惑を顧みないクズだよな」
突然ノリノリで貴族様の文句を言い出す冒険者のみんな。余程鬱憤溜まってたんだなあ。でも、気持ちは分かる。
とか思ってうんうんと頷いていると……コンコンとノックがされた。
『ガンツ殿、ドロワです。物資の搬入について相談があるのですが』
やべ、居たの!?
悪口を聞かれたのでは!?と思い慌てる私と違って……みんなはにやにやしていた。
あれ、集団悪口とか珍しいなって思ってたけど、あれ、もしかして。
みんな、外にドロワ様が居るのをわかってて言ってた…?
「今は迷宮宿屋についての報告を受けているので後にしてください。後ほど人をやりますので応接間で待機をお願いします」
『…分かりました』
それでいいのかなとオロオロするも、ガンツさんは良い笑顔で言っていたのできっと良いのだろう。とりあえず、気を取り直して…。
「それで、ダーツの具合はどうですか?」
「ああ、すっかり回復して今はラクザルバに対貴人用の礼儀作法を習いに行ってるぞ。後で素材を届けがてら様子を見てやれ」
「…分かりました」
元気そうで良かった。早くダーツの顔を見たいので、ならば退室をしようとして……マイクさんとトールさんに捕獲された。
ん?まだなんかあったっけ。




