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24


それから次の冒険者が来て銀華が迷宮の探索に行って、あっという間に今月の迷宮宿屋も終わってしまった。


ああ、これでついに対兵宿屋の開幕か…とげんなりしつつ帰還スクロールで冒険者のみんなとギルドに戻ると。


そこには膝を突いて頭を下げる11人の兵士が居た。その先頭はドロワさまだ………早くもげんなりがパワーアップした。


「無事のお帰りをお喜び申し上げます」


「頭を上げてくださいドロワ様。後ろのみなさんも」


慌ててドロワ様に立つように頼むと、即座に彼等はすくっと立ち上がった。

そして一同笑顔で私を見下ろしてくる。と言うか全員背が高いね!


「出待ちのようなことをしてすみません。マリーロズ嬢の帰りが待ち遠しかったもので」


「ああ、はい……御用はなんでしょうか。来週の任務についてですか?」


「はい、とりあえず各隊の隊長クラスの挨拶だけでもと思いまして。あとは持ってきた荷物に生ものがありますので収納していただきたいと」


「後にして貰えないか。彼女はまだギルドの仕事中で、こうしてる間にも空間の中に居る職員が出ることが出来ずに職務が遅延している。それともこの行動はギルドマスターの許可を得た正式な任務なのだろうか?」



とりあえず出すもの出さないと入れられないんだよなあと考えていると、一緒に帰還したトールさんが前に出て庇ってくれた。

気持ちは物凄く嬉しいのだけれど、相手はお貴族様だ。


慌てる私を他所に、ドロワ様を筆頭に各隊の隊長さん達と睨み合うトールさん。


しばし、見つめ合ったあとドロワ様が口元だけを笑みの形に整えた。が、その目は一切笑っていないのでめちゃくちゃ怖い。


「これは申し訳ない。挨拶をする許可は頂きましたが仕事を頼む許可は頂いてませんでしたね。それから初めまして今回の責任者を任されましたディル・ドロワと申します」


責任者の圧と、貴族の圧を重ねて来たドロワ様。

これはいかんと前に出ようとするが、トールさんに制されて前に出ることもままならない。不安で彼を見上げるとトールさんは小さく笑った。

そして無表情でドロワ様と向き直った。


「マリィの婚約者で臨時スタッフのトール・オルティナだ」


……え?だれだって?

驚いてぽかーんと見上げるもトールさんの表情は変わらず、ドロワ様の表情は一瞬だけ笑みがひくっと引きつった。

「へえ…マリーロズ嬢の婚約者と。本当なのですか?」


「ほ、本当です!」


婚約者。そうか、婚約者か。

ちょっと照れながらも何度も頷くと、何故かドロワ様の笑みが深みを増した。なんだろう、ちょうこわい。


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