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ダーツが倒れてからのドタバタ。
数日後、ようやくドラ殺が帰ってきた。
「はあ!?下層で暮らしてる住人がここに来ただと!?」
「ああ。褐色の肌の青年で、マリィがたぶらかしてから帰してた。道中逢わなかったか?」
「いや、多分あってねえな。人間なんだよな?」
「少なくとも見た目は人間で、下の暑い場所が普通だからここは寒いと」
「あー、それで他国からのスパイなら相当念入りだな。下が行動阻害レベルで暑いなんてお前らも誰にも言ってねえだろ?」
「ああ。ドラ殺やアサシンズなら情報交換になるが、それ以外に話しても得はないからな」
玄関の水場で豪快に水を浴びるアイズさんはびしょ濡れになりながらトールさんの報告を受ける。
濡れた床はリッツさんがタオルで拭いていてくれた。
「んで、マリィはどうやってたらしこんだんだ?」
「その報告もしたいところだがもう一件緊急事態が起きてな。ダーツが倒れた」
「んだと!?」
「あら本当?大丈夫なの?」
「アサシンズが急ぎで上に連れ帰ったがまだ詳細報告は来てない。だからアサシンズが戻るまで護衛を手伝って欲しい」
「おう、ちょっと休憩してからで良いなら良いぜ。それでなんでおまえら、こんな所に集まってるんだ?」
ぽたぽたと水滴を滴らせながら、アイズさんはこっちに来て首を傾げた。
今日も今日とてリリエラにネロ、レオと私の勢揃いで寄り添い合って居る状況だ。
と言っても私以外は寝ている。
人が喋って居るくらいで眠れないと集団生活は難しいのでこれくらいの話し声じゃ弟妹は起きやしない。
「ダーツが心配で、一刻も早く連絡を聞きたいんです」
「そうか。なら止めねえがマリィも寝てろ。トールはちょっと借りるからリッツちょっとマリィ達を見ててくれ」
「あいよ」
そう言って、頭からばさっと私のものじゃない毛布を掛けられた。
とりあえずドラ殺のみんなが無事でよかった。
あとは、ダーツだけだ。そう思いつつ目を閉じた。
「胃腸炎…?と寝不足…?」
翌日、アサシンズのみんなは無事戻ってきた。そして聞いたダーツの報告に弟妹一同安心してガックリした。
「兄ちゃん張り切って勉強してたからな…」
「ダーツは意外と小心者だからねえ…」
「人の心配する前に自分の心配しろってぇの」
「いやレオ、あんたもハキポの飲みすぎでしょっちゅう真っ青なのなんとかしなさいよね」
各々思い思いにダーツへの文句を爆発させるものの……全員の心の根底は、無事でよかったの一言に限る。
「ただ来月に大仕事も控えているので今月はこのまま上で療養しつつ勉強をする、だそうだ。とりあえずこれを返す」
そう言って渡されたのはダーツの運搬に使ったペン型マジックバッグだった。
ふむ、と考えて空間からゴソゴソと先日ダディオさんに貰った残りの魔法銀を取り出す。
在庫はちょうど二つだった。トールさん達にあげたものよりやや小ぶりだがまあ良いだろう。
「これお礼です。なんか色々使えるみたいなのでパーティで相談して使ってください」
そう言ってエストラさんと、レオに良かったな!と言って頭をぐしゃぐしゃするアイズさんに渡す。
「え、これ…」
「おい、マリィ…」
「さあさあお仕事イソガシイヨー」
そして二人が気づく前にダッシュで100
人空間の中に飛び込んだ。




