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「マイクさん、彼になにかプレゼントをしたいんですがいいですか?」
「……大丈夫だと思います。少し話しましたがどうやら本当に探索をしているだけで、攻撃してこない限り敵対する気は無いようです。それに関しては誓約も使って確認しましたので」
そうかそうか。超貴重アイテムを普通にポンっとくれた人。
空間からもそもそと体力ポーションを数本取り出す。中級から高級品まで、とりあえず10本ほどだ。
「お返しになるかも分からないけれどこのポーションをどうぞ。大きくなければ怪我とか治りますよ」
ユーリさんと同じようにポーションを渡すとそれまで豪快に笑っていたダディオさんが急に真顔になった。
『……お嬢ちゃん、これは足を失った怪我なども治るだろうか』
「え……傷口は塞がると思いますが失われた足はそのままだと思います」
『そうか……』
あからさまに落胆した様子に、誰かの欠損した足を治したいんだと理解出来てしまった。
「……誰かの怪我を治したいんですか?」
『ああ。母がラグティナに襲われて足を失ってな。このダンジョンの奥では昔から不思議な魔法薬が手に入ると聞いたから、それを探しに今回は深くまで潜ってみたんだが、まあそう簡単に手に入るわけは無いか』
そうか、なるほど。
タイミングよくたまたま持ってるんだよなあ、欠損ポーション。
あげてもいいかな?と思ってマイクさんを見ると真顔であった。
トールさんは苦笑を浮かべていた。
賛成はしないけど反対もしきれないと言ったことだろう。ふむ…。
「あの、ダディオさん。この石とかって凄い貴重な物なんです。ですのでこれらをまた持ってきて貰えませんか?」
『ん?ああ、持ってこられたら来るが正直今回も無理をして来ているから約束は出来ないな』
「もし約束をしてもらえたら、これを差し上げます。ダディオさん達にも効果があるかはわかりませんが……足などを失って、1ヶ月以内であれば欠損部位を再生させるポーションです」
そう言った瞬間、ダディオさんは目を見開いた。そして、それから渋い顔をした。
『お嬢ちゃん、君は愚か者か?その話が本当かどうかも分からないし……本当だとしても私が薬を持ち逃げする可能性の方が高いだろう』
まあ、確かに。まあ持ってきて貰ったらギルドの利益になるかなー程度なので全然気にしないからなあ。
へらっと笑って、ポーションを2瓶差し出す。
「いらないんですか?」
『……くれ』




