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「おい、どうするトール」
「それやったのそいつか?」
「ああ、あの武器で殴ってああなった」
「……敵対はしたくないな。仮に本当に下層から来たのが本当ならあの魔物たちを倒してきたのだろう。それならば相当強いはずだ」
険しい顔で話し合うトールさん達。そこにマイクさんも到着したが、彼もポーションを飲んで様子見を始めた。
「なあ、下から来たんだろう?ならあの暑さはどうやってしのいでいるんだ?」
『暑い?あれが天人にとっては暑いのか?ゴゴウスはもっと暑い。あの程度は寒いくらいだ。だからゴゴウスの戦士はこのダンジョンの攻略に詰まっていたんだ、ここまで上がってこられたのは俺が初めてだろう』
「……本当に下から来たみたいだな」
「事情を説明していただいても良いでしょうか」
「実は……」
マイクさんに説明する銀華を見ながらまじまじと褐色の青年を見る。
薄着の彼だが、よく見ると微妙に震えていた。
「………寒いの?」
『…ああ。テンションをあげないと気を失いそうだ。君みたいなか弱そうな少女でもこの寒さは気にならないのか?』
「……これ、あげる」
ポイッと使っていた毛布を投げると、彼はあっさりとそれを受け取って。身体に巻き付けた。
『おお、これは暖かいな!だが全然足りないから話の途中ですまないがちょっと火を着けていいか』
火をつける。殴っただけでこのクレーターだ。どんな規模の火をつけられるかわかったもんじゃないので慌てて冬用の羽毛布団を私物空間から出して投げつける。
モコモコ羽毛布団を巻き付けた彼は感動したように喜んだ。
『さらにありがとう少女よ!お礼に俺も何か…そうだ、ゴゴウスの子供はこんなキラキラした石が好きだがどうだろうか』
そう言って彼が恐る恐る空間内に小石を投げ込むが、当然の如く空間に弾かれて扉の外に落ちた。
『ダメか、入れることは出来ないようだ。すまない』
扉のすぐ外だし。パッと取れば良いよね。
さっとキラキラした石を拾った瞬間。
「マリィ!!!」
「ひゃあ!」
宿中に響き渡るんじゃないかって言うくらい大きな声が響いた。
威圧も混ざったその怒声に驚いて腰が抜けてその場にへたり込むと、明らかに激怒したトールさんに腕を掴まれた。
「何をしているんだ!危ないだろう!!」
「ご、ごめんなさ……」
あまりの怖さに石を落としてガタガタ震えていると、トールさんが我に返って深いため息を吐いた。
「怒りすぎた。すまない、ムサシ、マリィとレオを部屋に送ってくれ」
「ああ。マリィちゃんにレオ行くよ」
「……はい」
ムサシさんに部屋に送られる途中でこっちに向かってきていたリリエラとネロに会い、四人で食堂に行くことにする。
そして食堂でムサシさんにめちゃくちゃ怒られた。




