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「マリィ、奥に行け」
「姉ちゃん!これ!多分会話出来るポーション!!」
するとユーリさんの言葉と重ねるようにレオがポーションを持ってきた。
それを聞いたユーリさんがポーションをぐいっと飲む。
「これで話せるのか?」
「ううん、聞こえるだけだから対話をするには相手にも飲ませないと」
『Jdhejla.ffk』
ポーションの効果が出ているのだろうか。
ユーリさんは褐色の青年をじっと睨むと、彼に向かって飲みかけのポーションを差し出した。
もちろんポーションの瓶のみが空間の外に出るように、差し出していた。
差し出された青年が警戒をあらわに剣を持っていたが、ゆっくりと瓶を受け取って珍しそうにそれを見ていた。
そんな彼に向かってユーリさんがポーションを飲む仕草を見せると、しばらくして彼はゴクリとポーションを飲んだ。
「レオ、私も飲みたい」
「ん、まだあるよ」
そんな様子を見ながら私もポーションを貰って飲んで居るとトールさんやムサシさんも到着した。全員が翻訳ポーションを飲む。
「お前は何者だ」
『俺はゴゴウスの戦士だ。お前たちは何者だ、天人か』
「天人が何かは分からないが俺たちは上から下に降りてきた冒険者だ!」
『上からだと!!!天人ではないか!!俺はゴゴウスから上がってきた。ダンジョンで見た事のない建造物があったから覗いて見た』
上がってきた?
つまり彼は……地下から来たのか!!
「ここは俺たちの安全地帯だ。悪いが許可の無い者は入れない」
『そうみたいだな。全力で殴ってもビクともしない、すごいなこれ!!』
すごいすごいと嬉しそうにパンパンと空間を叩く青年。もっと彼をよく見ようとするとトールさんに後ろに引っ込められた。
トールさんに怖い顔で睨まれて、あ、はいと大人しく後ろに下がる。会話は聞くけどね!
「それで何の用だ」
『俺はただ探索をしていただけだ。お前たちを害するつもりは無い、迷惑をかけて悪かった』
「そうか、ならもう用は無いな」
『そんなことを言ってくれるな!初めて生きている天人と会えたんだ、上階について色々と教えてくれないか!!この透明な入れ物はどうなってるんだ!何故さっきまで言葉がわからなかったのに会話が出来るようになってるんだ?上階にはこんなに凄いアイテムがいっぱいあるのか!?』
なんだろう。凶悪な攻撃はしてきたものの、彼は純粋に喜んでいる気がする。
本当に下層から来たのか分からない。他国のスパイかもしれないけど……
嬉しそうに楽しそうに笑う様子は演技には見えない。




