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護衛兼任で調理や洗濯や片付けなどの業務は冒険者の人たちも手伝ってくれるそうだ。

でも、皿洗いで手が埋まって、咄嗟に剣が抜けないなどの事態が起こったら困るから最低限にするようにと言われている。


「姉ちゃん、大丈夫?」


「ダーツも凄い顔色よ」


「うん……」


宿屋経営二週間目。

『ドラゴン殺し』が狩りに出てすぐにそれは起こった。

その日も中級ポーションを飲みながら宿屋の改築を行って、宿の方に戻ると顔が真っ青なダーツが買取所に座っていた。

その隣にいるマイクさんも真顔で何かを考え込んでいる。

先週まではとても元気だったのに。行きの道で質のいいオークキングが五体も持ち込まれて、三体を私の方で買い取らせて貰ってノリノリで熟成をさせていたのに。



「マリィからも言ってください。ダーツの体調が優れないので、帰還して病院に行くように言ってるのですが…」


「大丈夫ですよ。もう二週間しか無いのに、覚えることはまだまだあるんですから」


そう言いながら、ダーツは苦しそうにお腹を押さえた。


「ポーションは飲んだんですか?」


「ええ、飲ませました。ですが効果が無いので怪我の類ではないみたいな…」


「ちょっと来月のことで緊張してるだけですよ」


とは、言うものの。顔色は真っ青だ。

たとえ頑張りたいと言っていたとしても、弟のそんな状態をそのままで放置するほど、私は人でなしでは無い。


近くに寄って、額に手を当てると暑くもないのに汗ばんでいた。ふむ、と考えてぺちっと頭を叩く。


「来月のことを思うなら余計に帰りなさい。戻って今から体調を整えなよ」


「姉ちゃん……」


ダーツがつらそうに顔をくしゃくしゃにして。安心させるために頭を撫でてあげると、ダーツはゆっくり目を閉じてーーー


「ダーツ!?」


がくんと崩れ落ちた。

慌てて手を伸ばすが体格差からか当然私では支えきれずに、護衛に付いていてくれたムサシさんとダーツの後ろにいたマイクさんが慌てて支えてくれた。


「おいおい、本気で大丈夫かよ」


「これは!?」


「ダーツ!しっかりして!」


意識を失ったダーツを床に寝かせて、呼びかけるも意識は戻らない。どうしようと慌てている私とは違い、マイクさんはすぐに動いてくれた。


「ムサシ、『アサシンズ』をすぐに呼んできてくれ。マリィ、ダーツを空間に収納して地上に戻すのでマジックバッグひとつ作ってください」


「はい!時間停止つけた方が良いですよね!?」


「そうですね、私たちでは正確な状況が分からないので停止はつけておきましょう」


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