仕事
同じ西部出身のアドゥルに、カラフとデイーは仕事の詳細を聞こうとした。
街中で会った彼は、実入りがいいためか着ている服の質が向上していた。
以前は俺たちと同じような服を着ていたのに。
これはかなり期待できるかも、とカラフとデイーの心は浮き立った。
話しかけた二人の顔を見てアドゥルは、
「お前は無理だ、カラフ」
と、即答した。
「は、何で?」
カラフは当然ながら納得がいかない。
「この国の女に受けるツラじゃないと、向かない」
それを聞いたカラフは落胆し、デイーは、つまりはそういう仕事か、と心の中でため息をついた。
アドゥルは、デイーと同じで南部系の血が混じっている。
北部や西部の民は、骨太で頑強であり、骨格のしっかりした彫りの深い顔、濃い眉毛が特徴である。
南部は手脚の長い細身の体型、卵型や逆三角形の顔の小さい細面の民が多い。
グレートルイスに来て気付いたが、この国では南部系の顔形、体型がうけるようだ。
故郷でデイーは南部の特徴を備えた自分の容姿を村の少女たちにはイマイチと思われてることを感じとっていた。
まあ背丈だけはあったので、それと稼ぎで容姿を補って嫁さんをもらうしかないな、と物心ついたときから考えていた。
こっちに来てから、好かれる容姿というのは所変われば全く違うというのを思い知った。
例えば、キエスタでは一般的に女性はふくよかであればあるほどいいが、グレートルイスではそうではないらしい。
デイーは母が細身だったので、女性はふくよかな体型でなければ、というこだわりはないが、キエスタの多くの男性は女性のふくよかさというのは第一条件であるようだ。
しかし、こっちの街中でもてはやされるのは、満足に食べる生活をしてないのではないかと思うような女性たちだ。
アドゥルの言葉に残念そうな顔をしているカラフを尻目に、
「デイー、お前にはうってつけだな。俺とコンビ組んでやろうぜ」
デイーと似た種類の、細い顎を持ったアドゥルは口の方端を上げてそう言った。




