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SKY WORLD  作者: 青瓢箪
最終章
230/232

各地の出来事

 1 ~グレートルイス フェルナンド パブにて~


 『ディーン=マクガバン』


「また、あいつかよ!」


 パブのカウンターで座っていた毛先だけ髪を茶色に染めたプラチナブロンドの男が、空になったグラスをいきおいよくカウンターに置いた。


「なんだよ、あいつ! 近くにいたのかよ畜生!」

「どうした、ディーン。あの俳優と知り合いか?」


 カウンター越しに他の客と話していた店主が会話を中断し、ディーンに話しかけた。


「俳優じゃねえよ! 森林ガードマンだよ! くそっ……」


 店主とその話し相手をしていた客は店の奥に置かれたテレビの画面に注目する。

 西オルガンで今年から開催された映画祭の様子が映し出されていた。

 アップになった労働者風の男の顔に引き続き、ゼルダの美女のアップに画面は代わった。


「はあ、ウー嬢だ。最近、ベーカー家の御曹司と別れたんだってな」

「少数民族出身だろ。もったいねえがベーカー家にはどうせ入れねえ。賢明な選択だ」

「次の男は誰にする気かねえ」


 男たちの会話の前で、また画面は労働者風の美男子に映し出した。

 彼らが見守る中、画面の中の男はある言葉を口にした。


「……愛の告白だ」


 ヒュー、と店主が口笛を吹いた。


「やるねえ。全世界の目の前で」

「美男美女。お似合いだ」


 ぐしゃ、とカウンターのディーンが空になっていたビール缶を握りつぶした。


「ふざけんなよ……あいつ……!」

「なんだ、ディーン、あいつにうらみでもあんのか?」

「大ありだよ! あいつ、オレの一生の仇なんだよ!」


 ディーンは店主を振り返って叫ぶと、再びテレビ画面に向かって声を荒げた。


「くそ!……今に見てろよ、キース!」


 ディーンが投げつけたビール缶がテレビ画面にぶつかり跳ね返って床に落ちた。――



 *****




 2 ~グレートルイス フェルナンド レン=メイヤ=ベーカーのマンションの一室にて~


『レンと女優ケイト』



 寝室でテレビ画面に見入っていたケイトが声を上げた。


「すごい、いい男。森林警備隊ってのにあんなにいい男がいるのねえ。ヘタしたらその辺の俳優よりいいんじゃない? ねえ、レン、観てみなさいよ」


 彼女の太ももに顔を埋めている自分をゆさぶる手をレンは払いのけた。


「なんだよケイト。今日は一日、傷心の俺を慰めてくれる約束だろ。他の男の話なんかするなよ」

「なあによ。まだ、あの女のこと引きずってるの? いい加減、忘れなさいよ」


 ばんばん、とケイトはレンの尻をシーツの上からたたいた。

 最近、彼女の本性が著しく現われてきた。田舎出身の彼女の中身は田舎のおばちゃんでこういう言動がかなり増えた。だが、レンはそういう彼女を嫌いではなかった。

 水曜日の彼女だったケイトは、もう一日増えて日曜日の彼女にもなりつつある。

 こんなに長期間付き合った女性も彼女が初めてではないだろうか。


「あんなムカつく女、とっとと忘れなさいよ。せっかくラマーンの相手役を手に入れたってのに、私より目立ちやがって……あー、むかつく女。ど素人のくせによ? レン、私の方が万倍もいい女でしょ? あんたのために西オルガン映画祭の出席、蹴ってやったんだから。いいから早く私と結婚しろっての」

「……あんな美女、もう世界中どこさがしたっていない」

「顔だけよ顔だけ。美人は三日で飽きる、て言葉知らないの? 最近話題のキッサン家の令嬢見てみなさいよお。世紀の美男子ラマーンと付き合ってるのよ? まさかの長女のリラの方よ? ……でも、彼女痩せてきれいになったわよねえ。元がいいのね。あのまま痩せれば、ラマーンにも釣り合うようにもなるかしら。でも、ラマーンも印象度更にアップよねえ。まさか、計算なの? キエスタ人はふくよかな女が好みっていうけど……」

「彼女も俺のことが好きだったのに」


 ふてくされて、レンは小さくつぶやいた。


「ああ!? 聞こえないわよ! なにぶつぶつ言ってんのよ、女々しくてうっとおしいんだけど!」


 最大級の力でケイトがレンの尻をひっぱたく。


「痛いなあ! いいだろ、もう少し喪失感にひたらせてくれても!」


 痛さに飛び起きたレンはしぶしぶとベッドサイドの眼鏡をとり、顔にかけた。

 時間を見ようと、テレビ画面に目をやる。


「……」

「ね、男も見惚れるようないい男でしょうが。ああ、ああいう男の子供が産みたいわねえ」

「……は、はは」


 レンは画面に見入った後、かわいた笑い声をあげた。


「なに、どうしたの?」

「あいつ、生きてやがったか……!」


 レンは隣のケイトに抱きついて押し倒した。


「なあにい?」

「生きてやがったぜ、あいつ……!」


 狂ったように笑って自分を抱いて転がるレンにケイトは訳がわからなかったが、久しぶりの彼の満面の笑みにつられて笑みを浮かべ、彼の頭をやさしく撫でた――




*****





 3 ~キエスタ オデッサ オネーギン邸にて~


『猫と少年』



「閣下」

 部屋のドアから使用人の控えめな声が聞こえたと同時に、一人の男がずかずかと中へ入ってきた。

 背の高い青年。

 白の貫頭衣に、豪奢な金の装飾品を身に着けている。

 石油商人の息子、ベルベル。

 たしか、もうすぐ結婚するはずではなかったか。父親から招待を最近受けた。

 外国に入りびたり、グレートルイスかぶれの放蕩息子だと、彼の父親はこぼしながらもどこか息子のことを誇らしげに語っていた。


「ご無礼を、閣下。直訴に参りました」


 ベルベルは、作法のかけらもない自分の入室態度を分かったうえで、目の前のオネーギンに告げた。


「ドーニスの助命嘆願です。……これは、大学の同期生たちの嘆願書です」


 話の段階を踏むことなく、ベルベルは要点だけを早速つきだした。

 ずらりと、署名された用紙の数々。


「……君は、彼の友人でしたか」


 少々、ベルベルの気迫に気おされながら、オネーギンは口を開いた。


「彼が血迷ったのは分かっています。でもあれは本当の彼じゃない。父親のせいだ。彼は生来、あんなことができる奴じゃない。その証拠に、あなたを殺しはしていないではないですか」


 歯に衣着せず物おじしない彼の言葉に、オネーギンは頷いた。


「彼のことは分っています。クソ真面目なだけなんです。あんなとこに入ってる奴じゃない」

「……彼が抑留されてから」


 オネーギンは嘆願書に手を触れながら言った。


「君のようなものが後を絶たない。毎日、私の家にまで押しかける始末です」

「南部の民からも署名がきているのですか」


 ベルベルは、は、と気づいたように嘆願書を下した。


「いえ」


 オネーギンは首を振った。


「南部の民からはきていません。西部……オデッサ市民です。特に、彼の住まっていたマンションの住人、近隣の住人から。……毎朝、同名の嘆願書を持って一人の少年が猫を抱いて、私の家に来るのです。旦那様の帰りをこの猫が待っている、マンションの住民のすべてが、彼の帰りを待っていると。……あのような年端もいかない少年に、毎朝懇願されるのは私には苦行でしかない」


 おどろいたような顔のベルベルに、オネーギンは苦笑した。


「彼の釈放は、予想よりも早くなることは間違いないでしょう」

「ベルベル!」


 そのとき、怒声を上げて部屋の中に彼の父親が入ってきた。


「申し訳ありません、閣下! 息子が無礼を!」


 父親はベルベルを押さえつけると、膝まづかせ、自分もろとも床に額をこすりつけた。


「このような非礼、なんといっておわびしたらよいのか……! 息子は大馬鹿ものです。隣の国にいって、かぶれたのです。申し訳ありません。どうかご容赦を……!」

「彼の嘆願書を受け取りました。あとは、お引き取りください」


 オネーギンの言葉に、親子はもう一度額をこすりつけて平伏したあと、父親は息子をひきずって逃げるように部屋を出て行った。

 オネーギンは嘆願書に目をやると、ため息をついて机の上へと置いた。


 ――昨夜、娘のサジが家に戻ってきた。

 嫁ぎ先の家から離縁されたのだと、サジは平然と家族の前でいいきってみせた。


『わたしは、ドーニス様とお部屋を共にしたことがあります。今回のことで、罪の重さに耐えきれなくなり、主人に告白いたしました。あちらのお家は、このような嫁を家においておくわけにはいくまいと、私にいいわたしました。しょうがないですわ、お父様。申し訳ありません』


 自分に挑みかけるような調子で声高に告げるサジに、オネーギンはしばし開いた口が閉じなかった。


 こんなにサジが激しい娘だとは思ってもみなかった。

 サジの母である第5夫人は南部の女だ。

 自分に口応えなどしたこともなく、いや、こちらが言った受け答えしか話さないような大人しい女だ。

 てっきり、サジもそのような娘だと思っていた。


「娘に、嫌われるのはこたえますね」


 オネーギンはそっとつぶやいた。

 サジは家に居座り、彼の帰りを待ち続けるつもりなのだ。

 適齢期が過ぎようが、どうでもいいと思っているのだろう。

 娘の機嫌を直すためにも、ドーニスにはできるだけ早く解放してもらわなければならない。


 この国の女は、強くなった。

 自分が若いころに比べると、信じられないほど。

 それはこの国が成長しているというなによりの証だ。


 オネーギンは微笑み、壁にかけられた国旗に視線を移した。

 その横の帽子かけにかけられた白のターバンを、ドーニスは目を細めて見つめた。



 *****




 4 ~グレートルイス シェリルシティにて~


『暴露本』




「うけけ」


 ソファーの上で寝転んで本を読んでいたシアンが笑い声をあげた。

 炭酸水をボトルから飲んでいたデイーは、吹きそうになった。


「気持ち悪い声出すんじゃねえ」

「あはは、ごめんごめん。でも面白くてさ、これ、けけ」


 笑いをこらえながらシアンは答える。

 昨夜ボスが来たせいで、シアンはまだバスローブ姿のままだ。

 さすがにその姿には見慣れたけど、たまにシアンが前にかがんで胸の谷間の白いのが見えたときにはやっぱりドキドキする。

 今もごろんとあおむけになり、ソファーの背もたれに片脚を上げたシアンのあらわな太ももの側面においおい、とデイーは若干ドキドキした。目をそらそうかどうしようかと迷いながらデイーは、とりあえず何の本を読んでいるのか聞いてみた。


「え、これ? 『不機嫌な北の魚たち』ていう最近出た本だよ。知らねえの? 大人気なんだぜ。」


 シアンは起き上がって本の表紙を見せた。


「オレの大先輩、クラリス姐さんが書いた本なんだよ。うけけ。あの人、絶対なんかやると思ってたよ。こうくるとはねえ……さすが、クラリス姐さんだなあ」

「お前の先輩?」

「そうそう、ゼルダの歓楽街パラダイスのね。オレの前にトップだった人。最近、カチューシャ市国に移住した二人目のゼルダ人だぜ。すげえだろ」

「カチューシャ市国に?どうやって?」

「だから、コネがあったんだろ。時のグレートルイス大統領の相手もした売れっ子姐さんだったんだぜ。そりゃ、いろいろあるだろ。……ま、移住さえしちまえばこっちのもんだな。こういう、今までのお相手の暴露本なんか出しちゃったりしちゃうわけだ」


 ひひ、とシアンは再び寝転んで読んでいたページに目を戻した。


「あはは、キルケゴールのおっさんが出てきた。『……彼は冒険心にとんだ男で私が今まで知りえなかった世界の高みへと私を連れていって……』……おお、すごい、クラリス姐さんに絶賛されてんじゃん。おっさん。……あ、ひひ、キースが出てきた。『……彼の部下は、まったくもって教科書通りの男でそれは回数を重ねても何ら変化は見られず……』あはは、あいつ言われてやんの。まあそうだろうな、あいつは。あはは」

「また、あいつの話かよ」


 舌打ちして、デイーは炭酸水を再び口に含んだ。

 せっかく、最近あいつのことを忘れかけてたのに。

 今のお前の一言で思い出しちまったじゃねえか。


 壁の時計を見ると最寄りのバス停にバスが来る時間の十分前だった。

 デイーは今、夜間の学校に通っている。

 ボスが昼間に通え、と言ってくれたけど学費の面でも時間的にも気おくれがして夜間に決めた。

 夜間のクラスメイトは訳ありで年かさの者が多く、デイーにもそれは居心地が良かった。


 ふと視線を感じてデイーはその先を見た。

 シアンがソファーの肘かけに顔をのせて、自分の方を見ていた。


「なんだよ」

「勉強は? どうなんだよ」

「……ぼちぼち。構成はいいけど文法の間違いが惜しい、て先生に言われた。あ、字が上手いって褒められた」

「そうか」


 満足そうにシアンは微笑んだ。


「オレのおかげだな、感謝しろよ」

「うん。ありがとう」

「よし」


 シアンはうなずくと再び寝転がった。

 デイーも炭酸水のボトルを再び口に含む。


「……それでさあ、お前」

「ん」

「いつになったら、オレのラミレスになってくれんの?」


 デイーは炭酸水を吹いて勢い良く咳き込んだ。


「っ、なんで、お前……!」


 にやにや、と笑みを浮かべながらシアンが起き上がる。


「なめんなよ。キエスタ神話のことなんて図書館いきゃあ、知識が簡単に手に入んだよ」


 顔を真っ赤にして口をふくデイーの前で、シアンは足を組んで頬杖をついた。


「キースはここを去っていなくなっちまったんだから……残ったお前と俺がラミレスとネーデってわけだ。……だろ? ボスがすまないことをしたって言ってたぜ。てっきり、お前じゃなくてキースだと思い込んだこと」

「……」


 微笑むシアンの妖艶さと、覗く胸の谷間と組まれた脚の美しさにデイーはうつむく。


「……いいのかよ」

「……何が」

「バスの時間」


 は、とデイーは顔をあげて時計を見た。

 あわててリュックサックを背負い部屋を飛び出す。


「いってらっしゃい、気をつけてな」


 あはは、とシアンは笑ってその姿を見送った。


「やっぱり、あいつ、かわいいな」


 シアンはソファーにもたれかかり、目を閉じて顔を上に向けると口もとをにんまりと上げた――




 *****





 5 ~東オルガン ヴィクトリア=フォン=ターナー邸にて~


『意外な相手』




 キルケゴールは、ドアを開けて中に飛び込むと、そのまま二階へと続く階段を上りだした。

 ここは東オルガン郊外に位置する別荘地の中のひとつ。

 自分がヴィクトリアとの交遊を楽しむために買った別荘である。

 彼女に会って何を言うのかと思うが、今自分が会う人間と言えば彼女ぐらいしか思いつかなかった。

 彼女は自分と共に来てくれるだろうか。彼女が拒否するなら、自分一人で去るだけだが。

 やわらかな質感の絨毯に靴が軽く沈み込むのを感じながら、キルケゴールは階段を上り終え、奥への寝室へと向かった。

 彼女とはここで何回も愛し合った。愛の証のような場所だと、キルケゴールは柄にもなくそんなことを思った。


「ヴィクトリア! すまないが……」


 ノックもなしに開いたドアの向こうから飛び込んできた風景に、キルケゴールは珍しく自失した。

 最初に目に入ったのは、天蓋つきのキングサイズのベッドに横たわっていた四本の脚だった。

 ワンピースの裾から続くほどよく肉がついてひきしまっている二本はいわずとしれたヴィクトリアのもの。

 そして、残りの二本は自分には見覚えのあるすぎるくらいのブルーグレーの生地で包まれている。


「まあ、キル。どうしたの」


 ヴィクトリアが起き上がって顔にかかっている赤毛を払いのけた。

 続いて傍らの男も、起き上がってこちらを向いた。


 外務局の制服は、前のボタンがすべて外されて肌があらわになっており、今まさに一戦が始められようとしていたところだったのだとキルケゴールに思わせた。

 ややカールした黒髪、黒い瞳。眼鏡をかけてはいなかったが、その顔はキルケゴールの良く見知った人物のものだった。

 自分の秘書でもあり、補佐役をキースからついだその青年は。


「……ルーイ」


 キルケゴールはその名を思わずつぶやいた。


 ルーイ=ノリスは弁解するような様子もなく、きらきらしたいたずらっぽい光をその瞳に浮かべていた。


「どうしたの、キル。あたしが、あなたが戻ってくるのを大人しく待つだけだと思っていた?」


 ヴィクトリアがルーイの肩に顎をのせ、自分を見て微笑んだ。

 ルーイの手がヴィクトリアの肩にまわされる。


「……いや、僕が君を想うくらいには君は僕のことを想っていてくれてるだろうと……今の今まで思っていた。だけど、それは思い違いだったようだね」


 キルケゴールは答え、ヴィクトリアから隣のルーイへと目を移した。


「あー、ルーイ。……もしかして、私は君に嫌われていたかな?」

「いえ、大好きですよ、閣下」


 ルーイは笑みをうかべたまま答える。


「ただ、それよりヴィクトリア様の方が上だったというだけで」

「そうか。なら、いい」


 キルケゴールは頷き、一歩下がった。


「……ひとつだけ、聞いてもいいかな。一体、いつから?」

「彼がジャングルで遭難したときよ」


 ヴィクトリアがルーイの胸をなでながら言った。


「あそこに私の別荘がいくつかあるの。一番最初に彼を保護したのは私の家族ファミリー。……私たち、あそこで一か月間、愛し合ったわ。帰国した彼とは西オルガンで度々会ってたわ。時にはあなたと会った後に」

「まいったね。全然、気が付かなかったよ」

「割と、スリルがあって楽しかったわ。ありがとう、キル」


 ヴィクトリアが微笑んでルーイの首にしなだれかかる。


「すまなかった。邪魔したね」

「幸運を。閣下」


 キルケゴールは後ろを向くと、後ろ手でドアを閉めた。

 ふ、と口ひげの下の唇を緩めキルケゴールは笑う。


「まさかねえ。……とんだ茶番だ」


 いつのまにか年をとっていたらしい。

 人を見る目も衰えていたということか。いや、向こうが上手だったのか。

 ドアにもたれて、キルケゴールは思案した。


 これから自分が会いたいと思う人物。


 彼女しかもう、浮かばなかった。


 苦笑しつつ、キルケゴールは階段をゆっくりと下り始めた。














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