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ジャジル王国にて2

とりあえず尾形編は一旦終わりです。

 調理場で作成に取り掛かったのはマヨネーズだ。

卵の卵黄と酢に油に塩と胡椒と砂糖が少々あれば作成可能でこつは卵黄と酢をしっかり混ぜてから油を少しずつ加えて馴染ませることだ。

ついでに洋風ドレッシングも作ることにした。

これは酢、油、塩、胡椒、砂糖があれば可能だが塩や胡椒が貴重なのでとりあえずはマヨネーズメインで作って他国で売ってお金にしよう。


「早速野菜にこれをつけて食べてほしい」


バイムレック城の厨房の料理人全員とスタセリタ、カーリンに味見させた。


「こ、これは……」

「美味すぎる……」

「革命だ……」


料理人全員は感動に包まれる。


「光一これは何?野菜がこんなに美味しいのなんて生まれて初めてだよ!」

「これは確かにお金になりそうです……さすが光一殿です」


マヨネーズの大量生産は可能だが……問題は保存だな……0から10度の保存が可能ならば長期保存で遠くの場所でも売ることもできるが……


「とりあえずこれをこの国の貴族に売りつけ次に同盟国とどんどん売りさばこう」

「その資金力で傭兵を雇うのですな?」

「まだですよ、その売り上げは材料費以外のお金は僕に預けてください。もっと増やしますので」


こうして2週間マヨネーズを宣伝し売りに売った結果2週間で金貨100枚の収益をあげた。

最初は少し安めにし人気が出た所で高めに売るというアコギな商売をしたがそれでも爆発的な売れ行きを誇った。


「ははははっ、これだよこれ!テンション上がりまくってヤバいぜ~」


最早俺ではないというぐらいのテンションだ。


「光一調子乗らないの!」


俺はスタセリタに頭を叩かれる。


「ごめん、ごめん。こうも上手くいくとテンション上がっちゃってさ」

「確かに光一殿が得た収益があれば傭兵をたくさん雇うこともできる」

「そこに疑問ですがいくら金を積んでも強い傭兵が雇われてくれるとは限らないと思うんですが?」


いくら金をたくさん積んでも傭兵が果たして来てくれるのかは交渉しだいだと思うし正直わからないとこだ。


「実はエミリア様は冒険者ギルドの総長と昔の仲間でしておそらくそこは問題ないでしょう。ただ危険な仕事になるのでお金は報酬として支払う必要があるのでそこだけがネックだったのですぞ」

「なら問題ないですね、次はこのお金の一部で城の塩胡椒を買い取り今度はマヨネーズと併用して洋風ドレッシングというものを大量に作ります」


そして次はシーザーサラダドレッシングだ、オリーブオイルこそないがそれに代わる果実からとった油は幸い存在していた。

シュミール油というものがオリーブに似ていたのでそれを用いあとはこの国でとれる岩塩や妖精の国から輸入している胡椒にマヨネーズと酢とこの世界にも存在していたチーズを用いて疑似シーザーサラダドレッシングを再現できるはず。


「さてまた味見お願いしますかね~」


マヨネーズに続き洋風ドレッシングも大ヒットし1週間でかなりの売り上げをだした。

そんなかエミリアが帰還した。


「エミリアさん!」

「ただいまスタセリタ」


エミリアがバイムレック城に帰還すると王様も含めて盛大に迎えられるあたりこの国にとってよほど大事な存在なのだろう。


「どうも」

「あら光一、元気そうね」

「なんとか」

「しかもかなりお金儲けをしているって聞いてるわ」


スタセリタの連れが魔法の調味料を提供しているとこの国中の噂になっているらしい。

あまり有名にはなりたくはないが……


「この国が攻められた時のためですよ」

「知っているわ、そんなあなたに話があるから後で私の部屋にいらっしゃい」


エミリアの部屋に一人入るとそこにはたくさんの写真のようなものが並べられていた。


「写真なんてこの世界にあるんですか?」

「地球じゃないからないわ、ただ私の昔の仲間に地球出身でその分野に詳しい天才がいたのよ。その人が念写の魔法を掛け合わせて再現したの」

「なるほど、それで勇者召喚にも詳しいのですね」

「まぁね、その人は初代勇者の一人だったから……これが昔の境界騎士団の集合写真でそれがこの男よ」


エミリアがその写真を見せその男をさす。

黒い髪にスラっとした優男のようなイメージだ。

だが俺はそれよりもほかのメンバーを見て驚愕を隠せなかった。


「なっ……」

「どうしたの?そんなに驚いて?」


なぜ写っているのか……しかも俺は男の方だけでなく女の方も知っているのだ。


「周平君に神明さんがどうして……」

「あら、シュウや立花と知り合い?」

「はい、周平君とは数少ない友達でした……でも彼は……」

「迷宮に落ちて行方知れずってのがあなたの知る所よね」

「なっ……なぜそれを……」

「召喚された無能力者が迷宮で落ちて死んだは表向きの筋書きね。でも本当の筋書きは違う、20柱の一角たる魔神を受け継ぐシュウがこの世界で神を名乗る奴らのギフトなんかもらえるわけがないでしょ?」


周平君が20柱の一人?

ということは世界の敵?

いやそれはあくまでもダーレー教が言っているだけに過ぎない……真実は……


「じゃあ周平君は……」

「生きているわ、覚醒した彼は迷宮の最下層の1001層にて彼を待っていた同じ20柱であり妻だった立花と再会を果たして今はギャラントプルームで九兵衛さんと再会したんじゃないかしら?」

「まさか……そんなことが……」


周平君は生きている、それも20柱としての力を覚醒させた状態で……しかも神明さんとは結婚してて同じ20柱だなんて……やはり敵わないというか羨ましすぎる。


「迷宮は300層じゃなかったんですね?しかも神明さんも同じ20柱で結婚してるとか周平君は相変わらず見せつけてくれる……しかも神明さんの失踪理由はこっちに来たからだったんですね」

「それも表向きね、300層のボスを倒すときにちょっとした条件を満たさないと下にはいけなくてそれを満たすのは圧倒的な力だから勇者達では無理ね。前世では結婚していたけど今はまだ結婚してないんじゃないかな?立花は記憶や力を受けついだ状態で転生したけどシュウは違うから」

「なるほど~というかそんなこと俺に教えてよかったんですか?」

「だってあなたシュウの友達で立花とも面識あるんでしょ?」

「まぁ3人で遊んだこともありますけど」


神明さんもゲームは普通にプロ級だったな。


「ならいいじゃない、というかあなたはもう反逆者の一人だし私の庇護下にあるんだから」


反逆者か……そのものいいはあまり釈然としないな。


「反逆者ですか?」

「20柱のこととかある程度知っているようだから言うけどこの世界含む宇宙全体の真なる支配者は20柱でダーレー教の神はこの世界を乗っ取ろうとした偽神よ。もともと20柱の王がこの世界の統治を委託したことが反逆の始まりだけどね」

「そうなんですね、でもそれと俺が反逆者なのはいまいち理解が……」

「100年前の戦争は終わってないの、シュウがかつてのメンバーを集め偽神の殲滅に入る。私もそのメンバーの一人であなたはシュウの友達であり私の庇護下でこの王国もこっち側なのよ」

「ああ……」


巻き込まれた奴だこれ。

それは冗談じゃないないぜ、流石にこれはお断りして……


「俺は戦いには不向きですし……」

「私が鍛えるから大丈夫!あなたは金を貯えながら私に師事しなさい」


まじか……俺の自由が……


「拒否権は?」

「ないわ!」

「あっ……はい……」


これ以上口答えするとヤバそうなので俺は口を塞ぐことにした。

周平君が生きているのが嬉しい反面俺の自由もが奪われたこともあり気持ちは複雑だ。


「とりあえず今日の話はここまでよ。スタセリタの所に行ってやりなさい」

「スタセリタの所に?」

「主君のご機嫌を取りに行きなさいってことよ。スタセリタが今あんなにご機嫌なのはあなたがいるからだし」

「主君にしたつもりはないですがね、まぁそういうことなら行きますわ」

「ええ、明日の昼にまたここに来なさい」

「わかりました」


俺は部屋を出てスタセリタの所へ向かった。


部屋をでるとエミリアは独り言を言う。


「彼はきっと……いやその前に大きな問題が……ふふっ、でもそれでも彼女は彼に……」


エミリアは笑っていた。

何に笑ったのか、今後この国で起こるであろう問題に直面することをエミリアは待ちわびていたのだ。


「さて私も忙しくなりそうね~」


部屋をでてスタセリタの所へ向かう途中紅い髪の男と俺はすれ違った。


「おい!」

「俺かな?」

「そうだ!貴様だ」


男は俺に怒っているようだがなんせ初めて会うだけになんで怒っているのか意味不明だ。


「何か俺に用ですか?」

「俺はアサート・ネイエフ・ジャジル、このジャジル王国の第1王子だ。随分と妹と仲がいいらいしが俺は貴様を認めない!」


なんだか随分敵意が向けられているようだな。


「なぜあなたは俺にそんな怒っていられるのでしょうか?」

「知れたこと!俺はいずれここの王となる、貴様も身の振り方を考えておくべきだな」


ああ、つまり俺の活躍が気に入らなくて脅威に感じている感じかな。

勝手に勘違いして馬鹿な奴だな……まぁいいか、ここは下手にでておくか。


「そんな滅相もございませんよ、気に障ったのでしたら申し訳ない。」

「ふん、まぁいい、あまり調子に乗らないことだな」


アサートはそのまま去っていく。


「ふっ、器のない奴だな……」


自分が後継者になるべくして育てられたのだろうか、自分の地位を脅かされるのがよほど怖いのだろう。

今順調に資金を揃えている現状が気に入らないのも無理はないな。

だが俺が見据えるのは周平君との再会、そして大きな戦いの波に乗ることにある。

いずれはこの国もでる予定だ。


スタセリタの部屋にいくと遅いと言わんばかりにスタセリタが俺を待っていた。


「光一遅い!」

「ごめんごめん、エミリアさんと話してたら遅くなっちゃってさ」

「まぁいいわ、この後は行くとこがあるからついてきなさい」

「行く所?」

「ええ、配下との親睦を深めるの」


だから配下じゃないしってもう抵抗は面倒だな。


「もう遅いが星空でも見に行くのかい?」

「あらよくわかったじゃない、そうよ夕食の後いくから準備しておいてね。まぁ行くと言っても転移魔方陣ですぐだけどね」

「りょーかい」

「光一来てくれてありがとう」

「いきなりどうしたんだ?」

「光一のおかげで私は毎日楽しいから感謝してるの」


感謝か……それはこっちもさ。

俺もあの国を離れることができ外の世界を見ることができた。

おまけにマヨネーズで金儲けもできている。


「お礼をするのはこっちだよ、これからもよろしく」

「ふふっ、当然よ。あなたは私のなんだから」


俺はいずれここを離れるかもしれないがそれでもスタセリタのこの笑顔はこの先も大事にしていこうと思う。


そしていずれ訪れるであろう周平君との再会を願い俺は進む。

最近感想がなくて迷走しているのでよかったらお願いします(切実)

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