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キリトラレタ

ひとりで生きていけると ずっと勘違い

ワンルームマンションから出不精の僕は

ドラマが始まるだなんて思ってもみなかった

君の小さな手が世界を切り取ったんだ


五センチ低いその肩で

僕より鋭いまなざしで

君はこの退屈な世界を笑い飛ばしたんだ


朝焼けの砂浜で 裸足で走る君

追いかけて 僕の方が速いはずなのに

君が遠ざかっていく

この手が届かない

それはきっと暗示だったんだよね


ふたりで生きていけると きっと甘えてた

ふて腐れる君を無下にした出不精の僕は

呆けた顔でただテレビに見入っていた

君の小さな手が世界を揺らした衝撃


五センチ低いその肩にも

僕を見つめる濁った眼差しも

君がいる世界に慣れて僕は塗り潰したんだ


夕暮れの砂浜で 泣きじゃくる君

追いかける 僕の足が止まる だって

君が遠ざかっていく

それは仕方がないと

君の最後の期待を踏みにじったんだね


大嫌いと言ってほしかった

僕をもう一度引っぱたいてよ

君の小さな手が世界を切り捨てたんだ


夜明けの砂浜で 泣きじゃくる僕

追いかける いるはずもない君を そして

朝陽が昇っていく

仕方がないことだよね

僕だけ独り帰るワンルームマンション


散らかっていくワンルームマンション


君に出会って

君に奪われて

君が奪って

君を失って

じゃあ 僕は何だったんだ

いったい 君は何だったんだ

また陽が沈むまで僕は

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