君に魔法をかけてみたいな
少し前までなら 意気地の無い男のせいと
全部責任転嫁して
叶わぬ恋を君のせいに出来たのに
今のこのご時世なら 女もがつがつ行かなきゃ
干物になってババアになるよって
そんなの分かりきった話
だけど勇気が出ない
今日も勇気が出ない
オレンジジュースを買う日は疲れてる
そんな君の好みばかり覚えている
君の好きなアニメ見て 昨日も夜更かししちゃったな
話し合わせる準備ばかりして
話しかける心の準備ができない
当たり障りないように そんなことばっか気をつけて
いつかは分かってもらわなきゃ
そんなの分かりきった話
だけどきっかけがないや
今日も何も起きないや
休み時間に読む本はミステリー
そんな君の知識ばかりつけてどーすんの?
君に魔法をかけてみたいな
秘密の呪文を唱えてさ
ボクが傘を忘れた雨の日
君が気づいてくれるように
君に魔法をかけてみたいな
夜な夜な魔法陣こさえてさ
渇ききったボクの人生に
君を召喚するのさ
君と誰かが離すとき つぶさに観察している
えくぼの出る回数数えて
君の中の好感度を測るんだ
こっそりリストにしてる 君が誰を気にしてるかって
そんな研究熱心なクセして
自分はどうなのか知らない
だって勇気が出ない
今日も勇気が出ない
勝負前に飲むコーヒーはブラック
君の癖がどんどん移ってるけれど
ボクは勝負に出れない
君に魔法をかけてみたいな
秘密の呪文を唱えてさ
エレベーターで二人きり
小さな奇跡が増えますように
君に魔法をかけてみたいな
夜な夜な魔法陣こさえてさ
独り淋しいワンルームに
君を召喚しちゃったりして
ああ、やばいな 部屋片付けなきゃ
それよりもまず話しかけなきゃ
部屋の整理がついたのはいいけど
ボクの心の整理はお預けだ
君に魔法をかけてみたいな
秘密の呪文を唱えてさ
君に魔法をかけてみたいな
夜な夜な魔法陣こさえてさ
そんなのおとぎ話だ
現実じゃ何も起きない
そう思ってたときにぽつり通り雨
目の前で君が降られたんだ
一緒に帰りませんか?
言っちゃった 言っちゃった




