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32 放り出された船

いやおうなく投げ出された船

乗客は不安に怯え

責任者を出せと訴える

どうしてこの船が選ばれたのか

操舵輪を握りながら考える

灯台からの明かりも見えない夜の海

決断しなければ 船を動かさなければ

いずれこの船に食料は付き

燃料も無くなり、海の底へと沈んでゆくだろう


急に放り出されたこの船に

操舵手は一人

一人の命ならば 簡単に諦めもつくものを

船がきしむ音 見えない波音

港にたどり着くことができれば英雄かもしれない

そうならなければ 数百人の怨念に引きずられて

二度と浮かんでこられないだろう


命を背負う責任のために舵を取るのか

船長の義務でそうするのか

これはプライドの問題だ

命も、責任も、義務も全部忘れ

ただこの船を動かすことだけに意識を向ける

夜は続く 波の音 乗客の不安と不満


逃げ出せるものなら逃げ出したい

だが俺は、やるしかない

逃げ出せる場所はない

あの世さえ 逃げ場にはならない

プライドにかけて 舵を握るしかない

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