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11 朝焼けの道
なんて良いお声なの
将来は歌手になれるかもね
喧嘩ばかり 我儘だった僕を
手懐ける為の あれは
首輪だったのですか
夢を追いかけて
自分の人生を生きて
諦めないで
僕たちはそんな言葉に囲まれていた
それなのに
気が付けば僕は 放り出されていた
いつまでも夢ばっかり 見てるんじゃない
大人になれ 大人になれ
大人は 夢を見ないんですか
大人は 諦めることなのですか
大人は 子供に夢を託して
大人になったら それを諦めさせるのですか
僕の前にはいつの間にか
立派なレールができている
これが貴方の人生なんだよ
幸せなんだよ
レールの先には都会の街並みが見える
なんて良いお声なの
その声が聞こえてくるのは
朝焼けの中だ
レールを外れ
土手をくだり あの山の向こう側
先生の声が聞こえてくる
なんて良いお声なの
誘われるように それにしては全力疾走で
僕はやっぱり
あの山の向こう
朝焼けの真っ赤な道を
走ってゆく




