木田早苗①
長沢くんが不思議そうに外に出たあと、私は、舞美ちゃんと藻葉さんの向かいが空いていたので座った。
女の子三人の話ってなんだろう?
そう思って考え始める前に、舞美が口を開いた。
「あのね、えーと、私たちが話したいのはね、私と藻葉さんは、早苗と耀が進展するように、一緒に頑張りたいなって思ってるってことなのね」
「えーと?」
私はとりあえずそう返した。
まあでもそう言ってくるってことはバレてるってことだもんね。
長沢くんのことをずっと前から意識してて、今は好きになってしまっているということが。
「だから簡潔に言えば、私と舞美先輩は、木田先輩と頼りない先輩が付き合えるようにサポートするってことです」
「あ……うん、ありがとう……」
長沢くんのことを好きなことを認めるのと同義の返事をして、私は恥ずかしくなって足元に置いたもんちゃんのケージを見つめていた。
もんちゃんは、ケージの中でごそごそいっている。
「あのね、私と藻葉さんも、少し寂しいというか……私も藻葉さんも耀には恋愛感情は持ってないんだけど、一緒にいると楽しいから、なんか最近耀が木田さんのことばっかりに気を取られてるなあって。だけど、それだったらもう付き合っちゃったほうがいいかなって思うよ」
少しもんちゃんのごそごそが響いたあと、舞美ちゃんがそう言った。
「そ、そうなの? 長沢くんが私に気を取られてるの?」
「とられてますとられてます。頼りない先輩、ちょろいのでとっくにとられてます」
そうだったのかな……? 私が長沢くんのことを考えすぎてて、長沢くんの気持ちを想像する余裕がなかった。
というより、長沢くんは、なんかあんまり何も考えない風に見える。
でもそれは、私が長沢くんのことをあんまりわかってないということで。
だから私はまだまだ、もっと長沢くんとの時間を過ごさないとなんだなって思う




